今年から新たに始めた海外ルーツの市民との共生(在留外国人支援)では、1月にボランティアスタッフを募集し、2月から15名のボランティアスタッフが活動を始めています。先日、これまでの活動を振り返り、今後の活動を計画するためのボランティア会議をみんかふぇで行いました。
2月から第1・3土曜日の午後に、在留外国人向けの相談カフェをみんかふぇでスタートしました。活動のチラシを作って、葛飾区の社会福祉協議会に置かせてもらったり、みんかふぇの活動を支えてくださる地域の方にお知らせしたりするなど活動の周知を続けてきましたが、まだまだ利用者は少なく、これまで受けた相談は片手で数えられるほど…。活動の周知方法や相談カフェの開催方法など見直しが必要な課題がいくつかあります。
活動を周知するために、葛飾区にある外国人経営のレストランを1軒1軒訪問して、チラシを配りながら、お困りごとがないか聞いて回っています。これまでお花茶屋、青砥、堀切菖蒲園、四ツ木、亀有周辺の30軒以上のお店を回ってきました。最初は何かの営業かと思って怪しまれることも多々ありましたが、中には、チラシを受け取って「困っている人がいたら渡しておくね~」と言ってくれたり、葛飾区から届いた給付金の申請書を書くことを手伝って欲しいとお願いされ、その場で対応するケースもありました。
活動に参加するボランティアスタッフは学生から社会人、定年退職をしてボランティア活動に取り組んでいる人など様々です。活動の志望動機も、「自分が海外に住んでいた時に現地の人に良くしてもらったから、自分も何か役に立ちたい」、「困っている外国人を助けたい」など、非常に意欲の高い人が多いです。一方で、在留外国人支援に関する知識はばらばらなので、職員を含め、月に1回ほど講師を招いてオンラインの勉強会を開催しています。
これまでの振り返り
4月に入って、これまでの活動の振り返りを行いました。 KPTという振り返りのフレームワークを使って、K=KEEP(良かったこと・続けたいこと)、P=PROBLEM(課題に感じていること)、T=TRY(やってみたいこと・改善点)をそれぞれ考えていきました。
KEEP(良かったこと・続けたいこと)では、「同じような興味関心がある人に出会えたこと」、「勉強会で知識をインプットできるのが良い」といった意見がありました。
PROBLEM(課題に感じていること)では、「活動が周知されていない」、「飲食店以外にも回れるところがあるんじゃないか」、「専門知識が不足している」、「行政ではなく私たちにできることって何だろう…」といった様々な意見が出てきました。
それに対して、TRY(やってみたいこと・改善点)では、「課題に優先順位をつけて活動する」、「チームに分かれて役割分担をして活動する」、「SNSを活用したら」、「相談だけではなく交流できる場としてまずは知ってもらうのが良いんじゃないか」といった前向きな意見がいくつも出ました。
オンラインではそれぞれのボランティアが感じていることや、考えていることを共有することがなかなか難しいこともあり、対面で集まって話し合ういい機会になりました。
活動を始めたばかりで試行錯誤が続いていますが、私たちが地域に住む在留外国人の人びとのことを知ること、関心を持つことが大事な一歩になると感じています。 この活動をきっかけに「海外の食に興味を持つようになった」というボランティアスタッフもいます。支援する、されるという一方向の関係ではなく、多様な文化を双方向が理解しあえる活動に発展できるようにしていきたいと思っています。
(東京事務所 小栗清香)
※この事業は赤い羽根共同募金、令和4年度東京都在住外国人支援事業助成と皆さまからのご寄付で実施しています。