PARCIC

漁業復興支援

石巻市北上町十三浜 わかめの種付けボランティア派遣

パルシックは10月に『十三浜のわかめ種付けボランティア』を募集しました。ですが、漁具や漁場の整備は予想以上に困難で、予定通りには終えられませんで した。そのため、わかめの種付けも遅れ、わかめボランティアのみなさんには石巻事業で活躍いただきました。ありがとうございました。

ですが、それから2週間後、わかめの種付けが少しずつはじまり、改めて当時のわかめボランティアの方々にお知らせし「リベンジ!」とボランティアさんが 戻ってきてくれました。みなさん気合は十分。予定日の前日から十三浜の宿泊所に泊まってもらい、朝早くから出発、ときには「今日は海が荒れている」と、で きない日もありましたが毎日寒い風の中凍えながらも、ボランティアの皆さんにとっては浜の皆さんにいろんな話をできたり種付けができたりと、楽しくも貴重 な体験となりました。

十三浜ではこれまでもわかめの養殖は“家族が多くないとできない”仕事だったといいます。人手が必要な作業であったわかめの種付けが震災により、アルバイ トを雇用する資金がない、身内が被災した、親戚を頼って行っていたことができないなど、さまざまな理由により“人手が足りない、ボランティアに手伝っても らえると助かる”という声を聞いていました。もちろん、大切なわかめの種付け作業を素人に任せられないという方もいます。必要な方々に、少ない人数ですが 参加させていただき、微力ながらお手伝いをさせていただきました。


地盤沈下のため使えなくなった港は応急的に各港30mづつだけ嵩上げされました。それでも各集落が利用するには狭く、グループで共働したり、船の着け方を工夫したりして行っていました。

「2人1組ペア」で行う種付け作業。ベテランの方とペアになって教えてもらいながら作業を行います。でも日に日に手馴れて上手になっていくボランティアさんたち。「のみ込みが早い!」とのお墨付きも。

お昼や休憩時間はみんなでおちゃっこ。お茶とお菓子を囲んでみんなでおしゃべりするのが作業の楽しみ。

種付けができない日は、ほたて養殖の準備のお手伝いなど、丘での作業も参加させてもらいました。

ロープを決まった長さに切ったあと、切り口をろうそくで少し溶かします。

軍手をした手で先をぎゅっとつまむと、こんな風に切口のボサボサが一つに固まります。

これがホタテの養殖籠に必要な道具。

それをこんな風に仕上げます。これを編むのは素人では難しい・・・。

網をくねくねと紐を通して結んで。結び方も様々にあります。(ピントがずれています。ごめんなさい。)

こうした作業をするにも場所がなく、さらに漁網やロープを補完する場所もなくて、仮設住宅の前の広場はこんなにも漁具で山盛りになることがありました。わかめの作業場はワカメの時期以外はこうした作業ができる場所や倉庫にも使ってもらえますね。

短い期間でしたが、こうしてわかめの種付けをニーズに応じて派遣してきました。人手だけでなく、こうして応援している人がいるよ・ということを伝えられてよかったなと思います。 浜のお母さん「種付けしたんだから、収穫もしなきゃだめよ!」 ボランティアさん「ぜったい来ますから!」 またぜひ手伝いに来てくださいね。

(パルシック 日方里砂)