昨年の西日本豪雨から1年が経ち、2019年7月7日に各地で追悼式が行われました。
パルシックは愛媛県西予市と宇和島市の追悼式に参列させていただきました。
同日夜には宇和島市で「100万人の線香花火ナイト&キャンドルナイト」の集いがあり、地元の方々をはじめボランティアさんなどが多く集まり、祈りを捧げました。
灯篭にはお隣、西予市野村町で作られた和紙「泉貨紙」が使われ、描かれたメッセージがゆらゆら美しく照らされました。
被害にあわれた方へ心からご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方に謹んでお悔やみ申し上げます。
この1年間、西予市と宇和島市で復興支援活動をしていくなかで多くの方々と会いました。
災害で、家族、友人を失った方、家を失った方、生業を失った方。
病気が悪化した方、雨降る夜が眠れなくなった方。
遠くへ避難した方、仮設住宅へ避難した方、今もまだ、被災した住宅で生活する方。
当然ですが、外部支援者であるわたしたちは、多くのことはできません。
災害で失ったものすべてを与えることもできなければ、記憶を変えることもできません。
できるのは「立ち上がろう、やり直そう」とする彼らの声に耳を傾け、背中を押したり、情報提供をしたり、ほんの少し癒したり。
本当にわずかなことです。
だからこそ「耳を傾けること」は復興支援において非常に重要なことだと私は思います。
「復興」には明確な定義がなく、人それぞれ様々な意味合いを持ちます。
家が全壊になったある住民さんから「俺があの場所でまた家を建てたら、復興だ」と言われました。彼の家は大規模な土砂災害で崩壊した、山の斜面にあります。元の場所に戻ることは、危険なことのように思えますが、それが長年その地に生きた彼の思う「復興」なのです。
1人ひとりの想いに耳を傾け続け、その人の「復興」を導き出すお手伝いをすることが私たちのできる復興支援なのではないかと思います。
平成30年7月豪雨で被災した多くの方々にとって、復興はまだまだ道半ばです。
地元住民の方の背中を押せるよう、私たちができることをできる限り、やっていきたいと思います。
(愛媛事務所 シーバース 玲名)