パルシックは、2018年7月より愛媛県の西予・宇和島地域で西日本豪雨の被災者支援を実施しています。
6月16日(日)、宇和島市吉田町の海岸で豪雨によって海に流れ込み放置されたままのごみを住民の皆さんと一緒に回収するイベント『吉田の海クリーンアップ大作戦!』を開催しました。
作業前に吉田町漁協の方に被害状況や海ごみが漁業に与える影響をお話いただきました。
「発災後しばらくは、組合員や職員で被災していない方も、近隣地区での行方不明者探しや道路、住宅等の復旧作業・支援活動が何より最優先で海の事は後回し。片付けが落ち着いてから海の様子を見に行き、泥水や漂流ごみ、蜜柑の木などが海に流れており、以前のように漁業ができる状態ではありませんでした。」
停電や断水、土砂崩れによる道路通行止めなどで作業が大幅に遅れ、漁協の通常業務に戻れたのは発災から10日後。当時の状況がよりリアルに伝わってきます。
今回のイベントは、宇和島の災害における情報共有のネットワーキンググループ『うしおに会議』が中心となって運営を行い、郵便局長会の皆さんや地元小学校の子どもたちと保護者、海岸付近の住民の方など、約180名の方に参加いただきました。
作業場の1つ白浦地区では、海岸の前にある山が崩れ4名の方が亡くなりました。そのため、清掃を続けていると瓦や座面がなくなった椅子、キーボードやお茶碗など家で使っていたと思われるものもたくさん出てきました。地元の方に「ここに住んでいた人は毎日1人で海のごみを拾っていて、発災前はこの地域に海ガメが来ていたんだよ」と教えてくれました。今回のイベントは多くの方に参加いただき、一見すると海岸は綺麗になったように見えますが、潮の満ち引きによりごみはまた海辺に戻ってきます。まだまだ回収できていないごみもたくさんあるので、一度きりではなく継続していくことが大切だと感じました。
作業後は参加者のみんなで食事をしながら交流会を開催。おにぎりと宇和島名物の鯛そうめん、みかんジュースがふるまわれました。県内のみならず、遠く埼玉や栃木から参加される方もおり、作業や交流会を通じて地元の人たちとの親睦を深めていました。
今回のイベントでは地元の人たちの結束力を強く感じました。愛媛県の中でも南予の人たちはおおらかな人が多く、何かあればお互いさま、支え合う文化がまだまだ残っているように感じます。このイベントを機に海ごみをはじめ地域の問題に関心を寄せ、自分たちが出来ることに参加するきっかけになれば良いなと思いました。
※このイベントは、吉田町漁協、COOPえひめ、ジャパン・プラットフォームの支援によって実施されました。
(東京事務所 小栗 清香)