7月の豪雨でダムの放流水により大規模に浸水した西予市野村町では、商店街のお店が一軒一軒と少しずつ復活し始めています。先日もクラウドファンディングの成功により復活した「スイーツ工房 絹」さんに開店のお祝いに行ってきました。
もともと「進藤呉服店」を営んでいた絹さんは、お店も自宅も大変な被害を受けながらも、町に元気を取り戻すべく店内にカフェスペースを併設してリニューアルオープン。野村町の人びとの憩いの場として笑顔を届けることを目指しているとのこと。
野村町では店舗や家屋の泥出し・解体など、見えやすい部分は一歩一歩、復旧が進んでいますが、表に出てこない見えないニーズを掘り出すことが現在の課題となっています。例えば、自宅の1階部分が浸水し2階で生活している、いわゆる「在宅」で避難されている方が冬を越す準備ができているか。仮設住宅や市営住宅への入居により、既存のコミュニティが喪失したことで、住民たちが引きこもりがちになっていないか、などです。
こういったニーズを掘り出すために、パルシックは野村町の商店街にある農産物直売所「百姓百品」のスペースを借り、西予市社会福祉協議会と協力して、傾聴カフェ「ほっこりカフェ」を実施しています。ほっこりカフェでは、パルシックの東ティモールコーヒーやハーブティー、地元のお茶屋さん「明芳園」のお茶をお出ししながら、毎週金曜日の昼下がりに、地元の人たちが気軽に「集える場」となっています。
11月初めからスタートしたほっこりカフェですが、最近はリピーターのおばあちゃんも現れ、お互いに誘い合う場面も目にする機会があります。
「美味しいけん、飲んできないや(美味しいから、飲んでいきなさいよ)」。
畑仕事の習慣がある地元の人たちにはハーブティーは特に人気で、地元で育つ花やハーブでどんなハーブティーが作れるだろうか、と話題に上がります。さらに、押し花ワークショップや商品化などのアイディアも出ています。
2019年には、地域の人びとが交流できる場として、被災した畑を再生したコミュニティ農園の運営を予定しています。
引き続き、住民の方々の声に寄り添って活動していきます。
(愛媛事業担当 シーバース 玲名)