最近は貴重な雨が降り続いている東ティモールから、街中の様子をお届けします!
首都ディリでは道路の舗装も進み、日本製の中古車やバイク、“ミクロレット”というミニバスなどが街中を行き交っています。道端では小さなマーケットが軒を並べ、農産物や衣類などが売られ、露店では携帯電話も売られています。
そんな街中に一際目立つ建物があります。それが“ティモールプラザ”です。昨年オープンしたばかりの東ティモール唯一のデパート(5階建て!)で、食料品やいろいろな業種のお店はもちろんのこと、なんとホテルや映画館まで併設されているのです!道路の向かい側にはバナナやヤシの木が生えているような場所で、まさかそこまで開発が進んでいるとは・・・!と、最初に見たときは衝撃的でした。ただ、ティモールプラザを利用している人は、ある程度の収入があるティモール人や、他国から訪れて滞在している外国人がほとんどです。それでも、子供を連れて涼みに来る人や憩いの場としてたむろしていたりと、みんな楽しんでいるように見えます。
首都ディリではホテルなど新しい建物が新設されていますが、都市から少し離れるだけで、このような光景とはほぼ無縁となります。経済的格差が、農村から人材が流出する原因の一つでもあり、仮に都市へ出てきたとしても、職に就けずに厳しい生活を強いられている人がいるのもまた事実です。それでも、道ですれ違うぼくのことを「何だコイツ」という目で見ながらも、話しかけると笑顔で声をかけてくれたり、大家族の賑やかな日常を見て、人と人とのつながりを身近に感じることができたり、バーチャルな世界でつながり合う日本の現代に欠けているものが東ティモールにはあるのでは、と思うことがあります。
まだまだこれから先どのような未来をも歩んでいける東ティモール。街の景色が変わっていったとしても、きっと人との繋がりは無くなることはないだろうと願いたい。そして、物質的な豊かさが実現された日本は、今何を求めているのか、東ティモールの地でゆっくり考えてみたいと思います。
(東ティモール事務所 “みやっち”こと宮田悠史)