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スリランカ滞在記

スリランカ農村暮らしの日々[11]


学校自体は村の奥まったところにあり、小さな子供が毎日通うにはなかなかの距離があります

授業の前のお祈りの時間。きっちりと背の順に並んだ後ろ姿がかわいらしいです

お祈りの後は、朝の会。皆の前で一人ひとりが、詩を披露したり、歌を歌ったり、作文を読んだりします。

アーユーボワン(こんにちは)。今回は、私が滞在しているキリウェラガマ村の学校についてご紹介します。 前回の日誌でも少し触れたように、村の学校はとても規模が小さく、1年生から5年生までのプライマリーと呼ばれるレベルしかありません。全校生徒は35人で、現在女の子はたったの1人です!校舎は長屋風の建物に職員室、教室2つが並んでいます。先生は、校長先生、英語の先生、プライマリーの先生3名の計5名です。

全校生徒35人と言いましたが、実は私が訪問したこの日はたったの5人しか登校していませんでした。というのも、この学校に来ている子供の多くが、貧しい家の子供であるため、家の仕事の手伝いが忙しく、学校での勉強まで手が回らないという状況にあるからです。校長先生の話しによると、小さな子供の登校率は高いが、大きくなるにつれて家での働き手としての重要性が増すため、登校できない状態にあるとのことです。また、登校しても、遅刻、早退が非常に多いそうです。こういった状況のため、5年生まで無事に終了することができても、文字の読み書きに不自由する子供も中にはいるそうです。また、この学校での学年は1学年から5学年ですので、普通であれば5歳から10歳までの子供が通っているはずですが、中には13歳やそれ以上の子供もいます。入学時期が遅れたり、中退してしまった子供が復学したりという場合にこういうことが生じています。

スリランカの識字率は90%以上と、途上国においては非常に高い識字率を誇っています。また、スリランカでは11年生(15歳)までは義務教育です。授業料、制服、教科書代は無料です。ちなみに大学まで学費は無料です。しかし、この村の学校に通う子供たちは、5年生までのプライマリーを終えた後、半数くらいしか6年生には進学せずに、教育を終えてしまうそうです。家の働き手として益々重要とされることに加え、6年生以降も通学を続けようとすると、隣村や町の学校にバスで通わなくてはならないことも要因です。

スリランカに来てすぐ、特にコロンボなどの都会では、子供がモノ売りをしているという状況をほとんど目にすることが無く、インドなど他の南アジアの国に比べて「さすが教育への高い意識!」と感動していました。私がホームステイさせてもらっている家の子供たちや、周囲の子供たちは、町の大きな学校に通い、学校の後は塾にも通っています。しかし、ふと視線を移すと、農村ではこのキリウェラガマの学校に通う子供たちがいるというのも現実です。

(パルシック 高橋知里)