PARCIC

スリランカ滞在記

スリランカ農村暮らしの日々[5]


綺麗なサリーでおめかししたおばあちゃん達がおしゃべりしています。

新郎・新婦はかわいいらしくアンスーリウムなどでハート型に飾られた椅子に座っています。

新婦のお母さんとお父さん、スピーチを聞きながら、ちょっと寂しそうな顔になってきました。

両親やその他家族への挨拶をしながら、涙が止まらない新婦

アーユーボワン(こんにちは)。スリランカで使われているシンハラ語での丁寧な挨拶表現です。どうやら、文脈によっては「こんにちは」に限らず「さようなら」という意味にもなるようです。ただし、日常的には丁寧すぎるのであまり使われていないようです。私は初めて会った人には「アーユーボワン」で挨拶しているのですが、たいていの場合周りの人に笑われます。たぶん、外国人の私がシンハラ語で話しかけるのでみんなが驚くのと、私の発音がたどたどしいからだと思いますが・・・。先週は、村の色々なイベントに参加する機会があり「アーユーボワン」を連発していました。そんな村のイベントの一つに結婚式がありました。今回はその村の結婚式について紹介したいと思います。

結婚式当日、11時半頃に会場である新婦の家を訪問しましたが、家の中は綺麗な布で飾り付けられ、食事を供するテントのようなものも設置されていました。私が訪れた頃には、すでに多くの村人が集まってきており、おしゃべりをしたり、新婦さんの美しい姿を褒めたりと、多くの人が家の中を行ったり来たりして賑わっていました。主役の新郎・新婦はというと、綺麗に飾った椅子にかわいらしく2人並んで座っていました。椅子を華やかにしている赤いアンスーリウムの花は、村の中でもよく見る花です。お寺への供物としても村ではよく使われています。新郎・新婦は、訪問客とおしゃべりしたり、写真を撮ったりしていました。画像が悪くてわかり難いかもしれませんが、真っ白なサリーを着た新婦さんはかなりの美人さんです。2人は24歳とのことで、初婚年齢としては早くもなく、遅くもなくという感じでしょうか。スリランカの初婚平均年齢はおおざっぱに見ると22,3歳(もちろん学歴によって変わりますが、全体)となっており、全体的に日本と同じように晩婚化が進んでいるとのことです。日本の結婚式と同じように、訪問客には食事がご馳走されます。たくさんの種類のカレーや、そのほかのおかず、デザートにはアイスクリームや甘いお菓子など。特別な料理というよりは、普段家で食べている家庭料理が一度にたくさん並ぶという感じでした。後で聞いたところでは、我が家のアンマー(お母さん)も料理作りの手伝いに行っていたそうです。

式としては、最初の方に行われた伝統的な部分は、遅刻してしまったので見逃してしまったのですが、食事の後、指輪の交換、ケーキカットなど西洋の文化とのミックスな部分がありました。その後、訪問客からの長い(きっと、シンハラ語を理解できないので、余計に長く感じたのだと思います)スピーチがあり、会場の雰囲気が少しシンミリとしてきました。そして、いよいよ新郎・新婦が両親や祖父母、その他の家族に挨拶する頃には、新婦さんは涙が止まりません。送り出す側の妹達も寂しくて号泣していました。この後、新郎・新婦、および親族一同は車に乗って、新郎の家での2回目のパーティーへと移動していきました。スリランカでは、昼に新婦の実家で儀式を行い、その後新郎の家でパーティーを行うというのが一般的なスタイルだとのことです。

家族や友達、村人による手作りのとても温かい結婚式でした。新婦の家での式には新郎の両親が来ていないのは日本とは違って少し驚きましたが、新婦さんは式の後半では涙涙なのは日本と同じですね。

(パルシック 高橋知里)