パルシックは、2017年よりレバノンに避難しているシリア難民に対する教育支援事業を実施してきました。
シリア危機の発生から11年以上が経過しますが、シリアの政治・経済・社会状況、またそれぞれの家族のおかれた状況等、様々な理由のため、レバノンからシリアに帰還するシリア難民の数は増えていません。そのため、レバノンには現在もシリア難民が約150万人滞在していると見られています。
レバノンでの生活が長引くにつれ、シリア難民の人びとにとって大きな問題になっていることの一つに、就学年齢の子どもの教育があげられます。子どもがきちんとした教育を受けなければ、たとえシリアに帰還できても、その後の進路や人生に大きく影響が出てしまいます。
そこでパルシックは、現地提携団体と協力し、主にシリア難民の子どもたちが教育の機会を得られるよう、教育支援事業を行ってきました。今回のイベントでは、アルサール市の小学校支援事業の報告を行うとともに、現在のレバノン国内におけるシリア難民の帰還の動きや状況などについてお話をさせていただきます。
また、事業地であるレバノン北東部のアルサールには、3万人以上のシリア難民が難民キャンプのテント等に住んでいますが、標高1,500メートルの山間部に位置し、冬は雪が積もり、気温は氷点下になることもあるほど、寒さの厳しい地域です。特に難民キャンプで暮らすシリアの方々は、突然故郷を追われ、「難民」となり、経済的にも社会的にも厳しい状況に長年置かれてきました。
パルシックは、こうした人びとがなんとか冬を越せるよう、毎年「越冬支援」として日本の皆様にご寄付を募り、アルサールの難民キャンプに、灯油などの越冬物資を届けてきました。今年も越冬支援を計画しており、事業報告に合わせて現地の難民の生活状況と越冬支援についても、レバノンで事業を担当している風間よりお話しさせていただきます。
オンラインで開催しますので、どうぞどなたでもお気軽にご参加ください!
【日時】2022年10月13日(木)19:30~20:30
【内容】
・レバノン教育事業の報告
・シリア難民の帰還に関するレバノンでの状況 ・越冬支援について
・質疑応答
【参加費】無料
【お申込み】peatixイベントページよりお申込ください。
【参加方法】お申込みいただいた方に、別途メールにて2日前までにZOOMのURLをお送りします。
風間 満 パルシック レバノン事務所代表
大学でアラブ地域について学ぶ。2011年3月にはシリアのアレッポ、ダマスカス、ラタキアを訪れ、体調不良(赤痢)や東日本大震災が起こる中、シリアの方々には大変親切にしていただいた。大学卒業後は一般企業に就職するも、シリア情勢が混迷を極める中、何かできることはないかと思っていたところ、縁あって2019年8月よりパルシック入職。最近の趣味は、日本とは全く異なる景色をもつレバノンの山にハイキングに行くこと。