2021年2月のミャンマーにおける軍事クーデター発生から1年以上が経ちました。国軍により殺害された市民は1500人を超えるなど、状況は好転するどころか悪化するばかりで、先を見通すのが難しい状況です。
パルシックではクーデター以降、アジアの隣人であるミャンマーで辛い思いをしている人びとのために何ができるか、現地の団体や専門家との相談を重ねてきました。 そして、市民不服従運動(CDM:Civil Disobedience Movement)に参加したために、職や収入を失った女性たちの生活支援をヤンゴンやその他の地域で開始します。
また同時に、様々な立場でミャンマーと関わる方たちをお招きするオンライン連続講座を開催し、参加者の方々とともに、日本の市民として何が出来るのかを考えていきます。
連続講座5回目となる今回は、翻訳者、フリーランス・リサーチャーなどとしてミャンマーに深く関わっていらっしゃった島岡みぐささんにご登壇いただきます。島岡さんは、勤務を通してのミャンマー滞在時には、多くの現地公務員の方たちとお仕事をされてきました。今回はそんなご経験の話も交えつつ、公務員や市井の人びとを通して見たミャンマー社会やCDMについてお話しいただきます。
CDMは2021年2月のクーデター直後から市民の間で広がった職務を放棄することで反軍政を訴える運動です。そして運動の中心的役割を担っているのは、大学教員や医師、看護師、行政官といった公務員です。CDM参加者数の詳細は不明ですが、昨年8月の報道では、40万人以上が参加していると報告されています。
また、ある地域の行政官は、80パーセント以上がCDMに参加したという報告もあるなど、公務員による自発的な参加がCDMを支える原動力になっています。他方で、その公務員をはじめとした人びとが今までどのような生活を送っており、クーデター前後でその生活がどのように変化したかについては、理解するのに日本では情報が不足しているのが現状です。
こういった背景を踏まえつつ、CDMを支えるミャンマーの公務員の人たちの暮らしを垣間見ることが、CDMとそしてそれを支える市井の人びとへの理解を深めることになります。
<~知る・繋がる~ミャンマー連続講座>
第1回 クーデター後のミャンマーの市民社会 / 根本敬さん(上智大学)11月4日(アーカイブへのリンク)
第2回 在日ミャンマー人たちの活動 / レーレールィンさん(Spring Revolution)12月9日 (アーカイブへのリンク)
第3回 ミャンマーの少数民族 / 今村真央さん(山形大学) 1月7日 (アーカイブへのリンク)
第4回 ミャンマー仏教 / 川本佳苗さん(京都大学)2月4日(アーカイブへのリンク)
第5回 ミャンマーの市井の人びと/島岡みぐささん 3月4日
オンラインで開催しますので、どなたでもお気軽にご参加ください。
あわせて、事業資金のためのご寄付もぜひ、よろしくお願いいたします。
<寄付キャンペーン>
市民のつながりでミャンマーの人たちに支援の手を
市民不服従運動で仕事を失ったヤンゴンやその他の地域の女性たちを支援します。
日時:2022年3月4日(金)19:30~20:45
場所:オンライン(ZOOM)
参加費:無料(要予約)
講師:島岡みぐささん(ミャンマー語通訳・翻訳、フリーランスリサーチャー)
内容:ミャンマーの市井の暮らし〜CDMを率いる公務員を事例に〜
お申込み:Peatixイベントページよりお申込みください。
https://myanmar20215.peatix.com
お申込みいただいた方に、別途メールにて2日前までにZOOMのURLをお送りします。
島岡みぐささん
ミャンマー語通訳者(政府官通訳専門)・翻訳者、フリーランス・リサーチャー。外務省専門分析員、JICA専門家で現地滞在経験も豊富。クーデター後、様々な媒体で寄稿・発信をしている。東京外国語大学ビルマ語学科卒。共著「ミャンマーを知るための60章(46章担当)」(明石書店、2013年) 。