栃木県における台風19号の被災者支援 – 特定非営利活動法人パルシック(PARCIC) https://www.parcic.org 東ティモール、スリランカ、マレーシア、パレスチナ、トルコ・レバノン(シリア難民支援)でフェアトレードを含めた「民際協力」活動を展開するNGO。プロジェクト紹介、フェアトレード商品販売など。 Tue, 25 Feb 2020 06:59:15 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.1 栃木での物資支援とお茶会サロン開催 https://www.parcic.org/report/tochigi/tochigi_support_t19/16085/ Tue, 25 Feb 2020 06:58:12 +0000 https://www.parcic.org/?p=16085 2019年10月12日の台風19号による被災から3ヶ月が経過した1月中、パルシックは

① 暖房器具や毛布等の物資支援
② ほっと一息つけるお茶会サロン開催

の2本柱で栃木県の支援活動を継続しました。今回支援対象とした栃木市では3,690世帯、佐野市では1,500世帯が、床上までの浸水被害に遭いました。浸水被害の恐ろしいところは、家が全壊する訳ではないので、ひとたび公共の場から廃棄された家具が無くなり、道路の水や泥が撤去されてしまうと、外から家屋内の被害が見えづらいところです。

一見普通に見える被災世帯に入ると、順番待ちのため、板で仮補修してある床から湿気を帯びた底冷えのする空気が上がってきます。床には布団や服を敷き詰めて、でこぼこながらも何とか歩けるようにしています。一度水に浸かった木製ドアは変形し、靴箱などもカビが生えるので廃棄せざるを得ません。

高齢世帯も多く「家にいると気が滅入るので、なるべく外に出るようにしている」「被災後、一度も自炊をしていない。自宅で風呂に入っていない」、また半壊した持ち家で冬を過ごし「家の中の状況が何も変わらず、すべて億劫に感じる」という声を聞きました。特に高齢被災者は、明らかに支援が必要なのに我慢してしまう点も、際立ちました。

パルシックのような県外の市民団体が“被災世帯に必要な支援を届ける”ために重要な鍵となったのが、栃木市社会福祉協議会や佐野市役所危機管理課、栃木市国際交流協会といった行政と、とちぎ市民活動推進センターくららやとちぎボランティアネットワークなど県内の市民団体との連携でした。しかし、被災直後には職員自身が被災者であったり、被災世帯からの泥かき出しが最優先事項であったりと、1から始める連携がすぐ機能するとは限りません。

栃木社会福祉協議会へ被災世帯への支援物資をお届け

栃木社会福祉協議会へ被災世帯への支援物資をお届け

パルシックインターン外山と、佐野市役所危機管理課へ毛布をお届け

パルシックインターン外山と、佐野市役所危機管理課へ毛布をお届け

今後に備える防災は、市町村が被災する以前から利用可能な資源を情報交換し、NGO、民間、行政との連携体制を築いていくこと、身体の自由が利かない高齢者が増える中で避難や身の回りのお世話について話し合うこと、これまた増加する外国人居住者との緊急や支援情報伝達のシミュレーションをしておくこと、が大事になってくると感じました。

(栃木担当 谷口 加奈)

※この事業はジャパン・プラットフォームからの助成によって実施しています。

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台風19号で浸水被害を受けた栃木県にて支援開始 https://www.parcic.org/report/tochigi/tochigi_support_t19/15672/ Mon, 25 Nov 2019 10:41:19 +0000 https://www.parcic.org/?p=15672 2019年10月12日に上陸した大型台風により東日本の広範囲で浸水、土砂崩れの被害がありました。ニュースなどでは主に長野県や宮城県の被災地域が報道されていましたが、パルシックでは栃木県出身のスタッフがいたこと、浸水家屋の件数が多かったことから栃木県で調査を行いました。

10月30日から現地入りし、栃木市と佐野市の浸水地域を回ると、道路脇には使えなくなった畳や家具や家電が山積みになっていました。地域の高低差によって浸水の度合いが異なり、川を挟んで片側は浸水し、もう片側は全く被害がないなど同じ市内でも被害の差が見られました。浸水地域では3週間近く経っても片づけが終わらない様子から、被害の大きさがうかがえました。自宅が浸水した方々は現在も避難所や自宅の2階で生活していて、暖房器具が使えなくなっていたり、床下の泥の臭いに悩まされていたりと、今後の生活に不安を抱えていました。これから寒さが厳しくなり、避難生活が長引くと心にも身体にも負担が増えていくのが心配されます。

1階にあった家財を廃棄する浸水地域の住宅

1階にあった家財を廃棄する浸水地域の住宅

公園に一時集積されている廃棄された家財道具

公園に一時集積されている廃棄された家財道具

土嚢袋と一輪車を栃木市災害ボランティアセンターに提供

土嚢袋と一輪車を栃木市災害ボランティアセンターに提供

パルシックでは避難所や市役所、ボランティアセンターなど各所でニーズを聞き、まずは足りてないという物資(土嚢袋や土砂を運ぶ一輪車、マスク、おねしょシートなど)をお届けしました。今後は現地のNPOや地元団体と連携しながら、アクセスしづらい高齢世帯への支援や、流されてきた藁やゴミで使えなくなっている農地復旧のための支援を進めていく予定です。

(栃木担当 小山 弥里)

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