女性の生活向上支援 – 特定非営利活動法人パルシック(PARCIC) https://www.parcic.org 東ティモール、スリランカ、マレーシア、パレスチナ、トルコ・レバノン(シリア難民支援)でフェアトレードを含めた「民際協力」活動を展開するNGO。プロジェクト紹介、フェアトレード商品販売など。 Mon, 12 Jun 2023 02:30:57 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.1 インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.12 商品生産地を訪問!~バウカウ 後編~ https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/22740/ Mon, 12 Jun 2023 02:26:36 +0000 https://www.parcic.org/?p=22740 Botardi!こんにちは、インターンの黒沢舞衣です。
今回はバウカウでのアロマティモール商品生産地訪問、後半です!(前半はこちら)

次に訪れたのは「FITRI」という生産グループで、行ったときはちょうど3人のメンバーがクランチーピーナッツを揚げていました。クランチーピーナッツは人気の商品ですぐに売り切れてしまうので、なんと週に3回も作ります。

早速作業場所に行って、優しいお母さん方に作り方を教えてもらいました。大量のピーナッツを熱湯に入れて皮を取ったあと、卵と小麦粉を付けます。そのあと大きな鉄なべで揚げるのですが、暑い中高温の油の前でずっとピーナッツを混ぜる姿がとてもかっこよかったです…

アナトさんはグループに売上金を支払いながら、この生産グループは儲かっているのだと言っていました。リーダーの方はお金を子どもの学費の足しにしているそうです。このグループでは木曜と日曜の市場でピーナッツを200ドル分買うのですが、時期によって値段が違い、少ししか買えないときが大変だと言っていました。帰りの車の中で食べたクランチーピーナッツは、今までで一番美味しかったです。

ピーナッツの香ばしい香りに包まれていました

あとの二人は揚げ物中です(左はアナトさんと息子のゼノンくん)

そして宿泊しているナテルシアさんの家でも、「TRM-OCA」というグループのバナナチップスづくりを見させてもらい、私も作業を手伝いました!使うバナナは緑色の大きなもので、皮は硬くてねばねばしているので包丁を使って剥きます。スライスカッターを、油を張った大きな鍋の上にセットして、スライスされたバナナが揚げられていきます。二度揚げたら仕分けをするのですが、量が驚くくらいに多くてとても大変でした。小さい物や壊れたものは家族や近所の人に売ったりあげたりするそうです。形の整ったものは重さを量って袋に詰めます。

訪れた時期はメンバーの多くが神様の家づくり(宗教的な建物で親戚総出で自分たちで作るそうです)に行っていたようで、メンバーではない家族も総出でチップスづくりをしていました。普段はタロチップスとクランチーピーナッツも作るらしいです。また、このバナナチップスはアロマティモールの商品としてパルシックを経由しディリで販売される以外にも、自分たちのパッケージでバウカウとディリの多くのお店に卸しています。

滞在中、私たちは毎日のようにお店を回って在庫を確認し、商品を運んでいました。ディリでもバウカウでもとても人気で、大量に作って高頻度で卸しても、すぐになくなってしまうそうです。しかし単価が安いのでそこまでの収入になるわけではないことと、一時期よりも売り上げは落ちていることを聞き、商売の難しさも感じました。

バナナを揚げているところ

バウカウのお店に並ぶオリジナルラベルのチップス

約1週間の滞在中、ナテルシアさん一家には大変お世話になりました。特にアナトさんにはたくさんの場所へ連れて行っていただき、たくさんのものを見させてもらいました。私は普段事務所で一人暮らしをしているので、東ティモール人の方の生活を体験できたのは嬉しかったです。生活についてはまた別で書こうと思います。

グループ訪問以外で一番思い出に残っている出来事は、コレメタンと呼ばれる、一周忌パーティーに参加したことです。会場には喪服のような暗めの色の服を着た人やそうでない人もたくさん集まっていました。暗い雰囲気なのかと思いきやそれはパーティーで、中央の机に並べられた料理を自由に食べ、喪主の方が挨拶をしたあと陽気なダンスが始まったのでとても驚きました。しかも社交ダンスで、一曲が始まるたびに男性が座っている女性を誘いに行きます。私はアナトさんに踊り方を教えてもらってその後何人かと踊ってみたのですが、息が全く合わず足がもつれてしまって難しかったです。しかしフェスタで踊ったという話は東ティモール人に非常にウケがいいので、習ってよかったです。

この人の多さは準備も大変そうです

家族の皆さんと。本当はあと3人います。真ん中左から2番目がナテルシアさん。いちばん後ろがアナトさん

今回はピクルスとハイビスカスティーを作っている「FENA」というグループは訪問できず残念だったのですが、バウカウの4つの生産グループを訪れて感じたのは、どの商品もとても丁寧に生産されていて品質が高いということです。しかし同時に原材料の価格変動や少ない販売数によって苦労していることや、グループによって売り上げに差があることも分かりました。ビジネスである以上、たくさん売れることに越したことはありません。どうしたらこの高品質で美味しい商品をもっと売ることができるのかと、帰りのバスの中でマーケティングの観点から今回の旅を振り返ったりしました。

(インターン 黒沢舞衣)

インターン黒沢 東ティモール日誌 Vol.11 商品生産地を訪問!~バウカウ 前編~へ

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インターン黒沢 東ティモール日誌 Vol.11 商品生産地を訪問!~バウカウ 前編~ https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/22583/ Tue, 09 May 2023 07:32:09 +0000 https://www.parcic.org/?p=22583 Botardi!こんにちは、インターンの黒沢舞衣です。

9月26日から10月2日に、アロマティモール商品(詳しくはvol.5へ)が生産されているバウカウの女性グループを訪ねました!バウカウは東ティモール東部の北海岸に位置する都市で、5つの生産グループがあり、それぞれ違う商品を作っています。今回は、商品の集積場所でもあるグループ、「TRM-OCA」のリーダーのナテルシアさんのお宅に泊まらせていただき、他の3つのグループも見に行きました。

バウカウはディリから東に3時間ほどの場所にあり、私は一人でバスに乗って向かいました。東ティモール第二の都市と呼ばれているだけあって栄えている範囲が広く、店や家、人の数は多かったです。ナテルシアさんの家には10人が住んでいて、私を温かく迎えて下さいました。普段は息子のアナトさんが、全生産グループの商品を集め、パルシックとのやり取りを行っているようで、早速翌日から生産現場を回らせてもらえることになりました。

「VERTUDE」は、222gのVCO(Virgin Coconuts Oil)を作っているグループです。メンバーは7人ですが、訪れた日は2人でした。ココナッツが市場に並ぶ木曜と日曜に50個ずつ買い、5個を使って1ボトルのVCOを作るそうです。パルシックが作った手順のポスターが貼られた作業小屋の中で実際に作る様子を見せていただき、私も体験させていただきました。まずココナッツをカタナと呼ばれる大きなナイフで大胆に切って、水の入ったバケツの中で洗います。機械を使って細かく粉砕したら、水を加えます。布を使って3回こしたものを一日置き、次の日に分離した油の部分を掬うのだそうです。

皆さんはとても手慣れていて、私に優しく教えてくださりました。たくさんお話をした中でも、2017年から2年間指導を行っていたパルシックスタッフのともみさんとのエピソードや、市場のココナッツはすぐに売れてしまうため、もっと作りたくてもなかなか作れないことが印象的でした。まだ小さな息子さんやお孫さんがたまにふらっと現れてはキラキラした目で女性たちを見ていたのが微笑ましかったです。

布を使って絞る作業は力が要りました

商品を手にみんなで記念写真

クリーミーピーナッツバターを作っているのは、「FIB」というグループの5人の女性たちです。商品生産は3か月に1回程度のようでお邪魔したときには作っていなかったのですが、私のためにわざわざピーナッツを少しだけ買いに行ってくださいました…!どのグループも作業用の建物はグループリーダーの方の家の隣にあって、他のメンバーはたいてい近くに住んでいます。今回はリーダーとその家族の方に、工程を一通り見せてもらいました。初めにlafatikと呼ばれるパームの葉で編んだバスケットを使って、ピーナッツを選別します。オーブンで30分加熱して、皮がするっと剝けるようになったピーナッツをまだ熱いうちに一つ一つ綺麗にしました。もう一度lafatikに入れて、焦げすぎたものや皮などを器用に取り除きます。私も試してみましたが、手首のスナップを使ってlafatikを動かすのがとても難しくて上手にできませんでした。最後に機械に入れて下に瓶をセットしたら、ピーナッツバターが出てきます!出来立ての温かいバターはまた違った美味しさがあり、とても贅沢な気持ちになりました。

このグループは他にもバジルソルトを作っていますが、これも作るのは3ヶ月に一度くらいだそうで、昔は15人いたメンバーも今は5人に減ってしまいました。ディリ事務所の在庫が少なくなって電話が来たら作るので、もっとたくさん売れるようになったらいいなと思いました。

皮むきを体験しました

こちらでもピーナッツバターを手に記念撮影

私は今回初めて東ティモール人の方のお家に泊まったのですが、4人の小さな子どもたちはとても賑やかで、大人たちもおしゃべり大好きで、ずっとどこかから声が聞こえていました。滞在中、親戚の具合が悪いというので、近くにある家をよく一緒に訪ねました。ある日お墓に行くというのでついていくと、何十もの親戚の墓石一つ一つにろうそくと花びらを手向けて体調が良くなることを祈願していて、とても興味深かったです。

別の日には車で少し離れた山に向かい、占い師のような老人を訪ねました。老人は私たちが持参したひよこを生贄に一人で何か儀式をしたあと、一緒に行った家族の一人に不吉なことが続く原因について話をし、そのあとお祓いのようなものをしていました。現地の言葉、マカサエ語を話していたので詳細は理解できませんでしたが、話を聞く限り水子供養のようです。東ティモールはカトリックの国ですが、同時に彼らは土着信仰も持っていて、それが併存しているのは非常に面白く、貴重な経験をしたなと思いました。

おじいさんと一緒に住んでいる男の子が儀式を手伝っていました

(インターン 黒沢舞衣)

インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.10 首都ディリでの休日~with日本人編~へ

インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.12 商品生産地を訪問!~バウカウ 後編~へ

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インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.8 Loja & Café Aroma Timorへようこそ! https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/22042/ Fri, 24 Feb 2023 08:57:22 +0000 https://www.parcic.org/?p=22042 Botardi!こんにちは、インターンの黒沢舞衣です。

今回はディリにある私たちのカフェ、「Loja & Café Aroma Timor(*)」 を紹介します。2021年9月にオープンしたこの店は、ディリの中心部にある国立大学や政府庁舎などの近くに位置します。事務所からも近く、私はよく遊びに行ったり、仕事を手伝ったりしています。*パルシックのレポートでは、「カフェ・アロマ・ティモール」と訳しています。Lojaは「お店」という意味。

外観

このカフェでは、マウベシ産のコーヒーと、東ティモール産の野菜や果物を使ったスイーツが味わえるほか、アロマティモール商品を通常より安く、好きな量だけ買うことができます。まさに生産者と消費者をつなぐこのカフェは、居心地も最高です。私はたいていカフェで大学の課題をしたり、このインターン日誌を書いたりします。

落ち着いた店内は、作業や友人や家族との団らん、打ち合わせなどに利用されています

私のこのカフェの好きなところは、美味しいコーヒーとスイーツ、そして素敵な店員の方々です。マネージャー、バリスタ、パティシエの役割があり、6人が働いています。 カフェのマネージャーであるトジーさんは、その豊富な経験でカフェ運営を引っ張っています。とても気さくな方で、私と会うと必ずグータッチをしてくれます。 カルメンさんは私の一歳年上で、とても気の合う友人です。ラテアートが上手で、よくスワンを作ってくれます。私にも教えてくれるのですが、一向に上達しません。

ナンドさんは他店での経験も多く持つバリスタで、お客さんがいないときはよく歌っていて面白いです。小柄ですがとても力持ちで、毎週の買い出しを担当しています。 アタさんはバリスタとパティシエを兼任する器用な方です。お店が暇なときには、私にテトゥン語を教えてくれます。先日オフの日に可愛い娘さんを連れて来ていました。

機械とドリンクメニュー。私はカフェモカが好きです

スイーツは毎日朝から、時間をかけて丁寧に、しかしとても慣れた手つきで作られています。 ルシアさんはタルトの生地とパンを作るプロです。よく冗談交じりに私に話しかけてくれます。一緒に古着市場に行くと誰よりも真剣に服を探す、お洒落で優しいお姉さんです。 ネンシアさんはいつも私を気にかけてくれるチャーミングで面白いお姉さんで、レジ前によくいます。器用な手先で次々とお菓子を作る姿はとてもかっこいいです…

バラエティ豊かなデザート。どれも絶品です

私は残りのインターン期間で、このカフェを生産者と消費者をより繋げられるような、生産地の情報をより発信できる場にできたらと考えています。皆さんも東ティモールを訪れる機会があれば、ぜひ私たちのカフェにいらしてください!

左上から時計回りにカルメンさん、ナンドさん、私、トジーさん、ルシアさん、ネンシアさん、アタさん

(インターン 黒沢舞衣)

インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.7 マウベシのコーヒーをカッピング!へ

インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.9 アタウロ島のふりかけ工場へへ

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インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.5 特産品「アロマ・ティモール」をディリ中へ! https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/21848/ Wed, 18 Jan 2023 08:33:41 +0000 https://www.parcic.org/?p=21848 Botardi!インターンの黒沢舞衣です。

今回は、パルシックが行っている女性の生活向上支援の中から、ディリ事務所のマーケティングチームの活動をご紹介します。パルシックは6地方、12の女性グループが作る商品を、「アロマ・ティモール」というブランドでディリ市内の市場に出荷しています。そしてその全ての業務を担当するのが、マーケティングチームのマルタさんと、9月から加わったファティさんです。私は首都ディリにいるときはたいてい、マーケティングの仕事を手伝います。

事務所の様子

ディリ事務所の一角には、アロマ・ティモールの商品がたくさん保管されています。マルタさんは在庫が少なくなると、生産地に発注の電話をします。バスなどに載せられた商品がディリの事務所に到着すると、私たちは大量の商品の検品を行います。数が正しいか、市場に出せる質であるかなどをチェックした後、賞味期限のスタンプを押した私たちのオリジナルラベルを、商品に一枚ずつ貼ります。これがとても根気のいる作業で、ずっと一人で行ってきたマルタさんはすごいなあと感じました。テトゥン語が話せるようになってきてからは、世間話をしながら和気あいあいと作業できるのが楽しいです。

こだわりのオリジナルラベルは、2016年のブランド発足時に作られました

アロマ・ティモールの商品は、ディリ市内9つのスーパーやカフェ、レストランなどで販売されています。また、パルシックが運営する「カフェ・アロマ・ティモール」は、ほとんど全てのアロマ・ティモールの商品が購入できる、アンテナショップ的な場所です。

スーパーに並ぶアロマ・ティモールの商品

私たちは週に2回ほどアロマ・ティモールの商品が並ぶスーパーを訪れ、在庫を確認します。何がいくつとメモをすると、事務所で商品をプラスチックコンテナに詰め、納品書を作成します。アロマ・ティモールの商品はとても種類があるので、はじめ私は必要な商品を見つけるのにとても苦労し、部屋の中を行ったり来たりしていました。ドライバーとともに、一度で3つほどのスーパーに出荷をしに行きます。

私もよく出荷作業を手伝います

また私は現在、アロマ・ティモール商品の生産現場を一人で巡り、女性グループの方々に混じり作業を体験させてもらっています!その様子も今後お伝えできればと思います。

左から、私、マルタさん、ファティさん

(インターン 黒沢舞衣)

インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.4 多言語社会の東ティモールへ

インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.6 首都ディリでの休日~with東ティモール人編~へ

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軌道に乗ったカフェ・アロマ・ティモール https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/20996/ Thu, 28 Jul 2022 06:23:44 +0000 https://www.parcic.org/?p=20996 開店から半年が経ったカフェ・アロマ・ティモールの店内は毎日とても賑やかです。2022年3月は、1ヶ月間で929組のお客様にご来店いただきました。昨年9月28日(開店日)から10月27日までの1ヶ月間にご来店頂いたのは、546組だったので、約1.7倍の増加です。また、開店当初は、東ティモールに滞在している外国人のお客様が多かったですが、今は東ティモールの方にも多くご来店いただいています。

カフェ・アロマ・ティモール店内の様子

特に1月から2月は、東ティモールの方への宣伝を目的として制作した国産品消費キャンペーン動画全5本を毎週1本ずつ、東ティモールでユーザーが多いソーシャルメディアのFacebookやInstagramに投稿しました。この動画は、当店のスイーツメニューやアロマ・ティモール商品から5種類を取り上げ、その生産者、生産・加工の様子、そして当店の店内の様子などを紹介する内容です。

動画をご覧になった方から、「お店はどこにありますか?」「他にどんなメニューがありますか?」など、たくさんのお問い合わせをいただきました。また、「動画を見て、実際に来てみた」というお客様も多く来店され、宣伝の効果を感じました。

国産品消費キャンペーン動画でハーブティーを紹介するパティシエのネシア

1月から4月は、カフェのお客様がどんどん増え、忙しくなる中、カフェマネージャーのトジーが東ティモールを離れ、東ティモールコーヒー協会の代表としてドバイ国際博覧会に参加し、3ヶ月の間、精力的に東ティモール産コーヒーを世界に宣伝しました。

ドバイのテレビ番組に出演し、東ティモールの紹介をするトジー

トジーが留守の間、残されたカフェスタッフたちも日々の仕事を一生懸命にこなし、3月には新メニューの「紫イモのタルト」と「イチゴのトライフル」の販売を開始しました。

紫イモのタルト $1.50

イチゴのトライフル $3.50。 カフェで手作りしているローゼルシロップ使用

ディリではイチゴが品薄になる時があるため、マウベシ事務所のスタッフに協力してもらい、毎週、マウベシ産イチゴをカフェに直送してもらっています。

マウベシのイチゴ畑

また、2月には新しいスタッフのアタが加わりました。昨年12月から職業訓練センターの研修生として当店に研修に来ていた彼女は、研修期間中から積極的にカフェでの仕事を学び、現在はバリスタ兼パティシエという二足のわらじで頑張ってくれています。

カフェスタッフたち(左奥からネシア、ナンド、アタ、ルシア、手前がカルメン)

私(松村)は、2020年9月から国産品消費キャンペーン事業コーディネーターとしてカフェ・アロマ・ティモールの立ち上げに関わる業務を担当してきましたが、4月末で任期終了となります。

カフェの運営が軌道に乗ったところでマネージャーのトジーに業務を引き継ぐことが出来たことを嬉しく思います。これからは、私もお客さんとしてカフェにコーヒーやスイーツを楽しみに行くつもりです。ぜひ、皆様も引き続きカフェ・アロマ・ティモールを温かく見守っていてください。

(東ティモール事務所 松村優衣子)

*この事業は、ポルトガルの助成機関Camõesの助成を受けて、ポルトガルのNGO、CIDACと協働で実施しています。

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カフェ・アロマ・ティモール開店から約4ヶ月 https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/20230/ Mon, 07 Feb 2022 07:11:02 +0000 https://www.parcic.org/?p=20230 2021年9月28日、乾季のよく晴れた日にカフェ・アロマ・ティモールを開店することができました。開店当日の午前中におこなったオープニングセレモニーには、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、最小限のゲスト(元大統領のジョゼ・ラモス・ホルタ氏、通商産業省副大臣、在東ティモールポルトガル大使、ポルトガル助成機関カモエス東ティモール担当者)を招待し、アイナロ県マウベシ郡のマウベシ農業協同組合(コカマウ)のコーヒーやスイーツ、女性グループが作ったアロマ・ティモール商品の説明・試食と、カフェスタッフたちの紹介を行いました。オープニングセレモニーに招待することができなかった方には、有効期限1ヶ月の20%割引ご優待券を配布し、カフェに足を運んでいただきました。

オープニングセレモニーでの記念撮影

開店から1ヶ月の間に、スタッフたちは基本的な業務に慣れて、11月後半からはイベント用のケータリングの注文も受けるようになり、50人分や100人分のドリンクやスイーツを作り、大忙しでした。11月29日〜12月3日まで開催されたティモール・コーヒー・フェスティバル2021では、開会式と閉会式にコーヒーやスイーツをケータリングし、最終日のイベントブースにも出店しました。このフェスティバルでは、コーヒー生産者の方達に、当店のコーヒーを使用したスイーツのコーヒーゼリーとティラミスを食べていただくことができました。

ケータリング用のティラミスを作るルシア(パティシエ)

その他ケータリングのスイーツ

開店当初は営業時間が午前9時から午後7時までだったのですが、スタッフのほうから「営業時間を延ばして、売り上げを増やそう」と申し出てくれ、12月からは営業時間を午前7時から午後9時に変更しています。

カフェの外観

12月は、新メニューが続々登場した月でもありました。フルーツジュース(マンゴー、アボカド)、バタフライピーのお茶、ストロベリーパイ、マンゴートライフル、サンドイッチと米粉のキッシュ。バリスタ達も徐々にマキアートやモカ等の作り方を習得し、メニューに追加しました。開店当初は、ドリンクメニューが13種類、スイーツメニューが6種類でしたが、今ではドリンクメニューが26種類、スイーツメニューが8種類、軽食メニューが2種類となりました。

バタフライピーのお茶はリキサ県で栽培。レモン汁を入れると色が青から紫に変わります

マンゴートライフルには、東ティモール産のバニラビーンズやカフェで作っているハーブシロップを使用

まだ数名ですが、コカマウやアロマ・ティモール商品の生産者達にカフェに来てもらい、商品が販売されている様子を直接見ていただくことも出来ました。生産者に販売の様子や消費者の反応を直接見て頂くことで、彼らのモチベーションの向上に繋がることを期待します。カフェの開店準備期間中から、スタッフ達と共にお店が回るように駆け抜けて来ましたが、この事業の目的の一つでもある「地方と都市、生産者と消費者を結ぶ」ということをもう一度意識し、どんな試みを行えるか、スタッフ達とともに考えていきたいと思います。

ティモール・コーヒー・フェスティバル2021でコーヒーを提供しているトジー(カフェマネージャー)

(東ティモール事務所 松村優衣子)

*この事業は、ポルトガルの助成機関Camõesの助成を受けて、ポルトガルのNGO、CIDACと協働で実施しています。

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カフェ・アロマ・ティモール、ただいま開店準備中! https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/19701/ Tue, 14 Sep 2021 06:48:59 +0000 https://www.parcic.org/?p=19701 東ティモール事務所は、地方(生産者)と都市(消費者)のつながりを強化し、国産品の消費を促進するために、昨年から国産食品を扱うカフェ兼ショップの開店準備を進めています。

3月のレポートでは、4月の開店を目指しているとご報告しましたが、その後、新型コロナウィルスの感染拡大により、ディリ県では外出禁止令が複数回にわたり発令され、4月には東ティモール各地で豪雨災害が発生し、カフェの開店準備が思うように進まない状況が続きました。

しかし、6月中旬〜7月下旬は感染者数が減少したため、この間、お店の改装工事やスタッフ研修、その他開店準備を随分と進めることが出来ました。

お店で使用する紙袋を手作りするカフェスタッフたち

バリスタ達は、ディリ市内のレストランに受け入れていただき、毎週数回、実際に働きながら経験を積みました。パティシエ達は、パルシック東ティモール事務所のキッチンで、スイーツレシピを何度も練習しました。

ティラミスを作っている様子

パンデミックのため、改装工事に必要な資材を通常通りに入手することが難しいなどの理由から、予定していたよりも工事に時間がかかっていますが、8月16日には冷蔵庫やコーヒーマシン等、大型の機器類を搬入することが出来ました。

店内で棚の引き出しにヤスリがけをしている様子

棚や機器類がそれぞれの位置に置かれ、お店らしくなりました

8月28日に開催したオンラインコーヒーツアーの中で、カフェのことも取り上げていただくことになり、事前に改装工事中の店内でビデオ撮影を行いました。

まだエアコンの取り付けが済んでいない中、西日が差す暑い店内で撮影

撮影に使用したスイーツは、撮影終了後に撮影チームの皆さんに召し上がっていただいたところ、「すごく美味しい!」と大変喜ばれて、カフェスタッフのみんなも嬉しそうでした。開店前に事務所スタッフ以外に試食して頂き、「美味しい」と評価をいただけたことは、彼らの自信につながる良い機会だったと思います。

8月に入ってから、再びディリ県を中心に感染が拡大しており、先が読めない状況ではありますが、お店は9月に開店する予定で準備を進めています。

看板が取り付けられたお店の外観

(東ティモール事務所 松村優衣子)

*この事業は、ポルトガルの助成機関Camõesの助成を受けて、ポルトガルのNGO、CIDACと協働で実施しています。

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東ティモール:ロックダウンとカフェスタッフ研修 https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/18935/ Thu, 01 Apr 2021 09:19:52 +0000 https://www.parcic.org/?p=18935 東ティモールでは、陸続きの隣国インドネシアとの国境を違法に越えて入国した住民の新型コロナウィルス感染が2月以降複数件確認されました。陸上に国境を有する西部コヴァリマ県で国内初の市中感染が確認され、2月22日から同県のロックダウンが実施されていました。

そんな中、3月5日のニュースで、ディリ県から東部のバウカウ県へ移動した人物が新型コロナウィルス検査を受けた結果、陽性が確認されたことが報じられました。その患者のディリ県での居住周辺地区にて大規模検査が実施され、3月7日には、検査を受けた289名のうち2名の陽性が確認されました。

翌日、東ティモール政府は3月9日から1週間のディリ県ロックダウンを決定。ディリ県から他県への移動は特例を除き禁止、エッセンシャルワーカー以外の住民は買い物や緊急時を除き外出禁止、教育機関の休校、公共交通機関の運行禁止、集会の禁止(宗教儀式含む)等の規制措置が取られました。

その後、陽性者との濃厚接触者や近隣住民への大規模検査から陽性者数はどんどん増え、ディリ県のロックダウン期間は4月2日まで延長(*その後、さらに4月16日まで延長)、バウカウ県と東部ヴィケケ県も3月29日までロックダウンとなっています。(3月28日現在: 陽性合計322名)

この規制に準じて、パルシック東ティモール事務所も3月9日から地方勤務のスタッフを除いて全員在宅勤務となりました。3月はカフェ・アロマ・ティモールのスタッフ研修が盛りだくさんの予定だったのですが、残念ながら、カフェスタッフにも自宅待機をしてもらっています。また、店舗のリノベーション工事も実施することが出来ないため、カフェのオープン時期がずれ込むことも覚悟しなければいけません。

そういった状況のため、今回のレポートでは、前回のレポートに書ききれていない2月末から、ディリ県でのロックダウンが始まるまでに実施した研修の様子をご紹介いたします。

この期間には、ディリ市街地にあるカフェ4軒へ顧客として行き、実際にカフェ店員の方がどのように働いているか見学させて頂きました。また、特にバリスタの3人にはコーヒーの味についても研究してもらいました。

Fatima Cafeでコーヒーとハーブティーを飲むスタッフたち

Hey Day AR Cafe と Cafe Atsabe では、スタッフたちにはまだ馴染みのないプアオーバー(ハンドドリップ)でのコーヒーの淹れ方を見せていただきました。カフェ・アロマ・ティモールでもプアオーバーを提供する予定なので、スタッフたちも真剣な面持ちでしっかりと見学していました。

HeyDay AR Cafeでプアオーバーを見学

ホスピタリティー講座では、飲食業界での経験が豊富なトジーさんを講師に招き、飲食店での接客に必要な知識を教えていただきました。基本的な接客態度や業務などに加えて、「子連れのファミリーが来店した際は、まず誰に注文を尋ねるか?」「閉店間際にお客様が来店した場合、どのように対応するか?」等、シチュエーションに合わせた対応の仕方も習いました。

ホスピタリティー講座の様子

トジーさんは、コーヒー焙煎所への見学も引率してくれました。

コーヒー焙煎所で説明を受けている様子

そして、カペ・ディエム・コーヒー研究所では、ダニエルさんのコーヒー講座を受講しました。講座では、コーヒーの歴史、種類、香り、バリスタの役割、エスプレッソマシンの使い方、ミルクのスチームの仕方等、覚えることは多岐にわたります。

この講座はレベル1(初級)とレベル2(中級)、プアオーバーの淹れ方、カフェレストランでの研修、という内容に分かれています。バリスタの3人は全講座を受講しますが、パティシエの2人はレベル1とプアオーバーの淹れ方のみを受講しました。カフェのスイーツメニューにある、コーヒーゼリーとティラミスはコーヒーを使用するため、パティシエにもコーヒーの淹れ方の基礎を習ってもらいました。

カフェラテの淹れ方を習うスタッフ達。手前には練習で淹れたエスプレッソがずらりと並んでいます

カッピングも体験させてもらいました

スタッフたちが一生懸命に研修を受けている姿を見ていると、「早くカフェをオープンして実際に彼女たちが働いている姿を見たいな」という気持ちになります。

エスプレッソマシンを使って練習するスタッフたち

(東ティモール事務所 松村優衣子)

*この事業は、ポルトガルの助成機関Camõesの助成を受けて、ポルトガルのNGO、CIDACと協働で実施しています。

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国産品消費キャンペーン事業 カフェの店名&スタッフ採用決定! https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/18741/ Wed, 10 Mar 2021 09:48:13 +0000 https://www.parcic.org/?p=18741 当初の計画では昨年12月にオープンする予定だった国産品消費キャンペーン事業のカフェは、予定していたよりも物件探しや機材の取り寄せ、店舗の改装等に時間がかかっているため、予定を変更し、2021年4月のオープンを目指して準備を進めています。

そんな中で、今回はタイトルにある通り、2つのご報告があります。

一つ目は、カフェの店名が決まりました!
ズバリ、その名は「カフェ・アロマ・ティモール」!

カフェでも商品の販売を予定している、女性の生活向上支援事業で立ち上げられたブランド「アロマ・ティモール」の名をいただくこととしました。

続いて、二つ目は、カフェのオープニングスタッフが決まりました!

今回の選考の定員は、バリスタ3名、パティシエ2名の計5名。昨年12月からディリ県内で該当するコースを教えている職業訓練センターや大学、高校等に求人情報をお知らせし、バリスタに11名、パティシエに8名の応募がありました。その後、1 月から2月にかけて、書類審査による一次選考、面接や技術試験による二次選考を行い、悩みながらも5名の採用を決定しました。

バリスタ技術試験は東ティモールコーヒー協会の設備を借りて行いました。

バリスタ二次試験の際には、バリスタとして就業経験のあるトジーさんとアジェーさんにも審査を手伝って頂き、大変助かりました。

パティシエ技術試験では国産食材を使ったお菓子を作ってもらいました。

そうして、選び抜かれた5名のスタッフはこちら!

写真左から、一人ずつご紹介します。

アブリル:バリスタ。ディリ県出身。高校卒業後、東ティモール開発機関 (East Timor Development Agency) にて、ホスピタリティーコースを履修。いつもニコニコしている。

ネシア:パティシエ。バウカウ県出身。ディリ工科大学観光・ホスピタリティー学部調理コース卒業。夢はマスターシェフ!

ルシア:パティシエ。エルメラ県出身。ディリ工科大学観光・ホスピタリティー学部調理コース卒業。おしゃれなお姉さん。

カルメン:バリスタ。バウカウ県出身。高校卒業後、ジョアオ・パウロII世職業訓練センターにて、ホスピタリティーコースを履修。趣味は音楽を聴くこと。

デミリオ:バリスタ。バウカウ県出身。高校卒業後、ジョアオ・パウロII世職業訓練センターにて、ホスピタリティーコースを履修。何でも興味津々。

スタッフ5名はみな社会人経験がないため、カフェのオープンまで研修に参加してもらい、必要な知識やスキルを身につけてもらいます。研修は、2月16日から開始し、研修の一環として、2月22日〜26日にマウベシとバウカウへの生産者訪問を実施。生産者グループの皆さんと顔合わせし、生産工程の説明などを聞きました。ハーブティー、コーヒー、ヴァージンココナッツオイル、ジャム、調味料、お菓子類等、カフェで取り扱う商品と、それに繋がる人々への理解を深めてもらうことが出来たのではないかと思います。スタッフ5名は、一部がもともと友人同士だったこともあり、すぐに打ち解けた様子で、休憩時間にも仲良く雑談しています。

マウベシにてロビボ村のコーヒー農園を訪問。

バウカウの女性生産者グループ・FENAにて。

3月の研修では、バリスタにはコーヒーについてまた一から学んでもらい、パティシエにはスイーツのレシピを伝授する予定です。

(東ティモール事務所 松村優衣子)

*この事業は、ポルトガルの助成機関Camõesの助成を受けて、ポルトガルのNGO、CIDACと協働で実施しています。

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アタウロ島出張とアグロフォレストリー及び商業フェアへの参加 https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_womanqol/18258/ Tue, 08 Dec 2020 02:39:47 +0000 https://www.parcic.org/?p=18258 アタウロ島はティモール島の北に位置し、ディリ港からフェリーに乗って3時間前後で行くことができます。アタウロ島は、漁業や海藻の養殖が盛んなため、新鮮な海産物が名物です。

今回は、地産地消キャンペーン事業国産品カフェ兼ショップのメニュー候補にあるコーヒーゼリーの開発のヒントを求めて、アタウロ島ビケリ村パラ集落で作られている海藻ゼリーの作り方を教えてもらいに行ってきました。

海藻を包丁で細かく刻みます。

ココナッツの果肉を削り、ココナッツミルクを作ります。

作り方を教えてくれたロジータさんとその娘さん達は、慣れた手つきで1キロの海藻を包丁で細く刻み、ココナッツミルク、砂糖、白玉粉等と一緒に大きな鍋で煮詰め、直径20cmのゼリー型6つ分もの海藻ゼリーを作って見せてくれました。しかも、「ディリのパルシック事務所にもお土産にどうぞ」と海藻ゼリーを2つ持たせてくれました。

型に入れた海藻ゼリー。これから冷蔵庫で冷やし固めます。

冷やし固めた海藻ゼリーは、 ういろうを少し柔らかくしたような食感で、ココナッツの甘い風味が特徴的でした。 東ティモールの海藻も寒天と同じような要領で使用できるということが分かったので、これからコーヒーゼリーのレシピに応用できるよう試作を行っていきます。

今回のアタウロ島出張では、ビケリ村の女性生産者グループ「ビケリアナ」にも訪問しました。ビケリアナは海藻や魚を使用した加工食品を製造販売しています。国産品カフェ兼ショップでは、ビケリアナの製品の海藻クルプック(揚げ煎餅)を販売する予定です。

海藻クルプック

島では電気供給が夜間のみのため、夜8時頃に製造作業をしているビケリアナの女性たち。

また、11月20日・21日にディリのコンベンションセンターで開催されたアグロフォレストリー及び商業フェアに参加し、アロマティモールの製品と共に、国産品カフェで提供する予定のヨーグルトケーキ、フィナンシェ、コーディアル(ローゼル、レモングラス、月桃の3種。カップに注いで提供)を販売しました。コーディアルを購入された方が「おかわり!」と言ってもう一杯購入してくださったのが特に嬉しかったです。残念ながらフィナンシェはまだ馴染みがないせいか、あまり売れなかったのですが、ヨーグルトケーキを購入されたお客様は、「おいしい!」と言いながら親指を上げたポーズをしてくださったり、「ホールで注文したい」と言ってくださったりしました。これまで試作で作ってきたメニューを実際にお客様に食べていただき、反応を見ることができて自信につながりました。

アロマティモールの出店ブース

(東ティモール事務所 松村優衣子)

*この事業は、ポルトガルの助成機関Camõesの助成を受けて、ポルトガルのNGO、CIDACと協働で実施しています。

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