自然・文化 – 特定非営利活動法人パルシック(PARCIC) https://www.parcic.org 東ティモール、スリランカ、マレーシア、パレスチナ、トルコ・レバノン(シリア難民支援)でフェアトレードを含めた「民際協力」活動を展開するNGO。プロジェクト紹介、フェアトレード商品販売など。 Thu, 08 Jun 2017 01:59:51 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.1 東ティモールに赴任して、早2ヶ月 https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_nature_culture/11810/ Thu, 08 Jun 2017 01:59:51 +0000 https://www.parcic.org/?p=11810 東ティモールに来て2か月が経ちました。着いて10日目にデング熱にかかって入院したこと以外は、まずまず順調です。こちらに来て1か月間はテトゥン語を習うために語学学校に通ったり、病室の天井を眺めて過ごしていましたが、今は水利事業を行っているマウベシに滞在しています。

マウベシは海抜1,400~1,700mの高所にあります。そのため市場で売っているスナック菓子の袋が富士山の売店のもののようにパンパンに膨らんでいます。日中の日差しは強いですが、朝と晩はかなり冷え込みます。まだ6月ですが、私はセーターとウールの靴下を身に着けて、夜は毛布にくるまって寝ています。持ってきた防寒具はこれで最大限なため、もっとも寒くなるという8月はどうなることかと、今からおびえています。しかしこれだけ寒くても、蚊がたくさん飛んでいるのは意外でした。

事務所からの眺め

事務所からの眺め

水利事業の作業現場は山の中なので毎日が山登りです。山道を登ったり下りたりしていると、標高が高いためかすぐに息が切れ、頭がふらふらします。村の人と一緒に歩きますが、彼らは信じられないくらいの速さで歩きます。雨が降って地面がぬかるんでいてもまったく関係ありません。煙草を吸いながら鼻歌まじりにスタスタ歩いていきます。しかも私はしっかりとした長靴を履いていて、彼らはビーチサンダルか裸足です。それでよくよく観察してみると、ティモール人は小柄な人が多いのですが、足は日本人に比べると大きい気がします。その足で地面をつかむようにして歩くのでしょう。息を切らして必死でついていくと、その横を子どもたちが(もちろん裸足で)笑いながら走って私を追い抜いていきます。

山の中での測量

山の中での測量

ふくらむスナック菓子

ふくらむスナック菓子

マウベシの子どもは、首都のディリに比べると人懐こいです。道を歩いていると「ボンディア!(おはよう)」「ボタルディ!(こんにちは)」と大きな声で挨拶をされます。私も挨拶を返すと、なぜか恥ずかしそうにしています。

子どもたちといえば、休みの日になると事務所の前のテラスが広くてちょうどいいからか、男の子たちがサッカーを始めます。これがものすごくうるさいのです。ほとんど金切り声をあげてボールを蹴っています。あまりにうるさいので注意をしようと出ていくと、「コレガ!コレガ!(友達)」と笑顔で握手を求めてきました。それでこちらもつられて「コ、コレガ・・・」となってしまって、けっきょく彼らが疲れ果てて帰るまで待っていました。

私は都会育ちなので、静かな田舎の生活に憧れを抱いていました。ところがこちらに来て判明したのは、田舎の生活はぜんぜん静かではないことです。

まず朝はまだ日が昇らないうちから、気の早いどこかの鶏が「コケコッコオォォォ!」と鳴き始めます。それにつられるようにほかの鶏も遠く近くで鳴き始めます。また民家では馬や牛、ヤギ、豚などを飼っていて、それら動物たちの鳴き声も聞こえます。犬もその辺をうろうろしていて、朝から晩まで吠えています。夜になるとカエルが草むらから「グエエ、グエエ」、部屋の中ではヤモリが「チチチッ」、道を歩いていると子どもたちが挨拶を・・・、とあげたらきりがないですが、とにかく田舎はちっとも静かではありませんでした。ただどういうわけか、マウベシでは夜はぐっすり眠れ、朝はすっきり起きられるのが不思議です。

子犬ものびのび

子犬ものびのび

(マウベシ事務所 大島大)

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東ティモールの植物たち https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_nature_culture/3688/ Fri, 15 Mar 2013 06:28:56 +0000 https://www.parcic.org/?p=3688 東ティモールの植物たち

ボノイティ(こんばんは)!2月16日、首都ディリでは土砂降りの大雨が数時間続き、各地域で床下浸水、また汚泥が大統領府の敷地まで流れ込み、大変な騒ぎとなりました。東ティモール事務所の重鎮、マリトさんは「ゴミのポイ捨てで側溝がふさがったため、排水できなくなったんだ。こんなこと今までなかったよ」と嘆いていました。首都の人口密集化、環境への意識不足、と考えさせられた出来ごとでした。

女性グループの生活向上を目指す、というプロジェクトの内容上、常日頃、ハーブティに使えそうな植物はないか、加工食品になりうるような材料はないか、路上に咲いている花や植物たちを注意深く見る癖がついています。今回は、東ティモールで出会った植物たちをご紹介したいと思います。

まず、何といっても【コーヒー】。生まれて初めて目にしたコーヒーの木と真っ赤な実。道路の両側に鬱蒼と茂っており、思わず感嘆の声をあげました。また収穫後しばらくすると真っ白な花が咲き始め、そこら中に甘い香りを漂わせ、幸せな気分にしてくれます。

コーヒーの花

コーヒーの花

驚いたのが【ポインセチア】。日本ではクリスマスに飾る植物ですが、本来寒さが苦手な植物だというのは以前から知っていました。クリスマスに飾っても間もなく萎れてしまうからです。でも、こちらのポインセチアはレベルが違う!鉢植えのイメージがありますが、ここではもはや木。背丈3mはあるでしょうか?

ポインセチア

ポインセチア

次に【ノニ】。健康食品コーナーにノニジュースなるものが販売されており、体によいのは分かっていたのですが、本物のノニを見たのは初めてです。こちらでも民間療法で重宝されており、木の皮、葉、実、すべて使うとのこと。しかし…マズイ!でも我慢して煮出して飲むんだそうです。良薬は口に苦し。加工食品の可能性はあるかも…と心密かに考えています。

ノニ

ノニ

【ハイビスカス】日本でも南国に代表されるお馴染の花。東ティモールでも暑い地域ではよく見かける植物です。とっても素敵なのが、八重のハイビスカス。まるでカーネーションのよう。ブーケやフラワーアレンジメントに使ったらさぞかし綺麗だろうな、と他人の家に咲く花を羨ましく眺めています。

ハイビスカス

ハイビスカス

【アボカド】たわわに実るアボカドを初めて見たときは驚きました。時期になると黒い大きな滴型の実がたくさんなります。こちらではミキサーで撹拌しチョコレートシロップをかけてジュースにして飲みます。腹もちがいい!アボカドの葉は女性グループが作るハーブティとしても使用しています。

アボカド

アボカド

こんなにも豊かな植物の宝庫、東ティモール。活動地マウベシだけでも、この他もランタナやインパチェンス、日日草など、日本でもガーデニングでもお馴染みであり、鉢植えで販売されている植物がそこら中にたくましく自生しています。東ティモールの代名詞となるような加工食品を開発・商品化するのを夢見ながら、今日も安全運転しながら、時々よそ見をして植物との出会いを探し続けています。

(東ティモール事務所 大坂智美)

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Viva! Joga Bola! https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_nature_culture/1702/ Wed, 16 Jun 2010 15:00:40 +0000 http://test.parcic.org/?p=1702
皆でサッカー観戦をしている様子
(マウベシ)

FIFAワールドカップ、日本ではどのような盛り上がりをみせていますか?東ティモールはまだナショナルチームありませんが、連日大いに盛り上がり、日々の話題はまずJoga Bola(サッカー)!うちにはテレビがないけれど、深夜のスタッフからのミスコール(ワンギリと言うやつ)で、日本が勝ったのだな、と予測。翌日には行く先々で、ジャパウン!おめでとう!と声をかけられ、日本が勝ったのだな、と確信。日本は同じアジアの国、たとえ最終決戦には残れないとしても(ちょっと失礼)、俺は日本を応援する!とパルシックのスタッフ。

首都ディリでは政府庁舎に大きなスクリーンが設置され、毎晩たくさんのひとが訪れています。普段は夕方6時から12時までの6時間しか電気のないマウベシでも、この時ばかりは明け方まで電気が煌々と灯り、スクリーンを設置して、まさに国を挙げての一大イベントなのです。そしてワールドカップがここまで盛り上がるもう一つの理由は、毎回どちらのチームが勝つか予想して、お金を賭けているんです!独身気ままな長老スタッフは、一回に10ドルも張る。今日儲かっても、明日は負ける、賭け事なんかしない方が賢明だと、いくら言っても聞く耳をもちません・・・。

夕飯を済ませた夜8時過ぎのマウベシ事務所。テレビのない私たち、向かうは野外ビックスクリーン。普段は口数の少ないスタッフも、夜になると饒舌になり、うきうきしてきます。奥さんに許しがもらえず悶々とした週末の夜を過ごしている所帯持ちの彼は、マウベシで過ごす平日は奥さんの目も届かないので、ここぞとばかり一段と張り切るのです。厚着して、時にはコーヒーまで持参、道すがらキオスでタバコや飴を買い、携帯電話の光を頼りに、暗い道を歩くこと15分。そこでは私たちと同じように自宅にテレビのない人が大勢集まっています。

立ったり座ったり、毛布に包まったりして、寒い野外の星空の下、皆で寄り添って観るサッカー。一家に一台のテレビ、にはまだ遠い道のりですが、こんなささやかな幸せもいいなぁと、ふと思うのです。

(パルシック 栗栖奈津美)

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東ティモールから、ボアスエントラーダ! https://www.parcic.org/report/timor-leste/timor_nature_culture/1671/ Fri, 01 Jan 2010 00:00:38 +0000 http://test.parcic.org/?p=1671 明けましておめでとうございます。気温30度を超えるあつ〜い東ティモールから、新年のご挨拶です。

東ティモールはカトリックが大半を占める国なので、新年はクリスマスの延長です。毎年クリスマスが近づくと、街のいたるところで青年たちがキリスト生誕の厩をつくります。ディリのパルシック事務所近くにも3つくらいありますが、年々、装飾がグレードアップしていきます。かつては出来具合を競うコンテストもありました。近所の青年たちが厩づくりのための寄付集めに来ると、あぁ、もうすぐクリスマスだ、と気もそぞろになります。

事務所近くの厩。 政府の標語「Good-bye Conflict, Welcome Development」 が掲げられているのが象徴的

事務所近くの厩。 政府の標語「Good-bye Conflict, Welcome Development」が掲げられているのが象徴的

09年のクリスマスは、しかし、この青年たちの厩がすこし陰って見えました。政府庁舎や大統領府前に巨大なクリスマスツリーと電飾が施され、企業数社がスポンサーとなって海岸沿いに闇に浮かび上がるような美しいツリーが立ちました。年内ぎりぎりに修復の終わった東ティモール最大の教会でのミサの様子がテレビで中継されました。ここ数年の政府の開発政策が、東ティモールのクリスマス風景にも変化をもたらしているような気がします。

政府庁舎のクリスマスツリー

政府庁舎のクリスマスツリー

 

民間企業によるクリスマスの演出

民間企業によるクリスマスの演出

とはいえ、人びとにとってのクリスマスは変わりません。ミサにあずかり、ケーキと飲み物を用意し、家族や友人を訪問してキリストの生誕を喜び合います。厩や政府の電飾は新年を迎えてもそのままに飾られ、1月7日に撤去されます。

パルシック東ティモール事務所もクリスマス&年末年始休暇を終え、1月6日より新年の仕事始めです。09年は住民投票から10周年という節目の年でした。また次の節目に向かってスタッフ一同、コーヒー生産者たちとともに歩みたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

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