漁業復興支援 – 特定非営利活動法人パルシック(PARCIC) https://www.parcic.org 東ティモール、スリランカ、マレーシア、パレスチナ、トルコ・レバノン(シリア難民支援)でフェアトレードを含めた「民際協力」活動を展開するNGO。プロジェクト紹介、フェアトレード商品販売など。 Thu, 28 Jan 2021 09:04:03 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.1 十三浜産直センターへのご支援の終わりにあたって https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/5729/ Mon, 31 Mar 2014 05:32:22 +0000 https://www.parcic.org/?p=5729 十三浜産直センターへのご支援は平成24年末からはじまり、今年26年3月末にて終わりとなります。 十三浜の住民の方たちから、震災後の十三浜地域活性化のための海産物産直所開設のご要望を受け、パルシックとして、産直所の建物設置や店内整備、販売に必要な冷蔵・冷凍ショーケース、陳列棚、レジ、机や椅子等の什器購入や、同センターの運営・管理等のご支援を行ってきました。この産直所は「十三浜産直センター」という名称になり、関係者の皆さんと協議し、協働で運営・営業してきました。同センターを実質的に運営・管理していく「十三浜産直センター運営管理組合」が組織され、現在は同組合がその実施にあたっています。

十三浜産直センターに看板が設置されました

十三浜産直センターに看板が設置されました

これまで、私は海外での国際協力の現場に携わってきました。同センターへのご支援を担当して、いくつかの活動を通じて、支援に関連したあらたな「気づき」がありました。そのいくつかを、今回記したいと思います。

まず初めに、改めてご支援することの難しさを痛感した一年余りでした。海外とは異なり、日本人に対してご支援するには、その地域の習慣や地域性、歴史、年間行事や仕事のスケジュール、人間関係等、その地域の特徴を把握し、細心の注意を払って活動する必要があります。そのうえで、関係者とひとつひとつ話し合いをしながら、時には飲食をともにしながら、信頼関係を築いていくことで、話が進んでいきます。同じ日本人だからこそ、お互いに信頼することの重要性を認識した一年でした。

団体や個人の支援の在り方も、様々な多様性があることに気づきました。各人それぞれの想いや信念に基づいて、支援をされているわけですが、その地域の方たちが少しでも元気になっていただければよいのかなと思います。ただし、その支援活動が住民の方たちの負担にならないことだけをいつも考えなければいけないと思います。

続いて、十三浜海産物の良さを感じました、ここ十三浜は、宮城県内でも高品質のワカメやコンブで有名です。実際、その美味しさは、今まで他産地の物しか食べていなかったので大きな驚きでした。その他に、十三浜を含めた石巻沿岸地域一帯でしか生産されない独特な製法のトロロコンブも、特徴的な海産加工品です。通常は、前処理をした乾燥マコンブの表面を刃物で薄く削って製造していくのですが、こちらでは乾燥したマコンブだけでなくホソメコンブを混ぜてロール状のものを作り、それを削っていくという製法です。通常のトロロコンブ(おぼろコンブ)とは異なった食感や風味があると思いました。

トロロコンブの製造風景。センター内でも販売中

トロロコンブの製造風景。センター内でも販売中

もちろん、北上町の皆さんや地域の良さも大きな魅力であると感じました。このことは、この欄には書き尽くせぬほどのものがあります。一度訪れたら、またお知り合いになれたら再度訪れたく、お会いしたくなるような良さがあるかと思います。
 
残念ながら、私は今月末でパルシックを退職することとなります。これまで、本当にありがとうございました。また、機会を見つけて、十三浜産直センターを訪れたいと思っております。

(石巻北上事務所 岩尾恒雄)

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十三浜産直センターの一年を振り返って https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/5304/ Thu, 16 Jan 2014 07:49:24 +0000 https://www.parcic.org/?p=5304 十三浜産直センターは、昨年連休前の4月27日にオープンして以来、多くのお客様にお越しいただき、多くの商品をご購入いただきました。誠にありがとうございました。

たくさんのお客様に来店いただきました

たくさんのお客様に来店いただきました。ありがとうございます!

十三浜の住民の方々から十三浜の海産物産直所設置のご要望を受け、パルシックとして

  •  産直所の建物設置や店内整備
  •  販売に必要な冷蔵・冷凍ショーケース、陳列棚、レジ、机や椅子等の什器購入
  •  同センターの運営・管理

などのご支援を行ってきました。この産直所は『十三浜産直センター』という名称になり、関係者の皆さんと協議し、協働で運営・営業してきました。同センターを実質的に運営・管理していく『十三浜産直センター運営管理組合』が組織され、その実施にあたっています。

センターで販売している商品は、十三浜特産ワカメやコンブ、その他の海藻、ウニや海藻等の海産物加工品やコメ等の農産物です。オープン当初は週末だけの営業でしたが、7月中旬からは、新たな店子さんが入り毎日の営業となりました。販売する商品も食品のほかに、十三浜の住民の方々の手芸品等の販売も始まりました。また、8月からは、同じ店子さんによる麺類や丼ぶり物等、コーヒーやジュース等の軽食の提供を開始しました。この頃から、同センターで取扱っている商品を、単品もしくは詰め合わせで、徐々に宅配便でお送りするようになりました。

9月頃までは、観光客や工事関係者が商品購入や軽食の飲食を目的にご来店いただきましたが、秋以降には徐々にご来店のお客様も減少し、売り上げも減ってきました、そのような状況下で、残念ながら店子さんも同センター内で営業を続けることが出来ず、10月にはセンターから撤退しました。

センター内の商品、十三浜特産のワカメやコンブ

センター内の商品、十三浜特産のワカメやコンブ

その後、運営管理組合関係者と今後の運営について協議した結果、統一パッケージによるワカメやコンブの販売、平日営業の再開(現在は月・木曜日休みです)、それらに関わる費用負担、営業の継続等を決定しました。徐々にではありますが、センター運営に関して、関係者の皆さんの意識も高まってきたと思います。

センター運営・管理は、これまでも紆余曲折があり、まだまだ課題がありますが、センター関係者の皆さんと継続して協議し、できるところから実施して、より多くのお客様に来ていただきたいと思っています。

お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ十三浜産直センターにもおいでください。
今年もどうぞよろしくお願いします。

Facebookでも『十三浜産直センター』の応援をお願いします!
https://www.facebook.com/13hama.center

(石巻北上事務所 岩尾恒雄)

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来年の収穫に向けての十三浜ワカメやコンブ養殖のはじまり https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/5181/ Tue, 10 Dec 2013 04:59:19 +0000 https://www.parcic.org/?p=5181 今回は、来年に向けた十三浜の漁師さんたちの養殖作業のお話をします。

十三浜産のワカメは、三陸の中でも品位の良さで有名です。もちろん、河川、海流や地形等の自然環境条件が質の良いワカメを育んでいるのですが、これまで、漁師の皆さんがこの地にあった養殖技術を研究開発し、また生産された質の良いワカメを全国的に広く普及販売してきたことも、有名になっている要因だと思います。

震災後に、宮城県漁協十三浜支所では、いち早くワカメ養殖復活をめざし、漁師の皆さんと一丸となって推進されてきました。十三浜支所運営委員長の佐藤清吾さんのお話では、ワカメ養殖生産は震災前の水準にほぼ戻ったということです。

今年も11月から12月上旬頃まで、来年3月からの収穫をめざし、ワカメやコンブの種付け作業が各浜で行われています。これは、6月から7月にかけて、陸上のタンク内でワカメのメカブから遊走子(ゆうそうし)※1 を放出させて天然繊維や化繊ロープに付着させ、その後1cm程度に発芽したワカメが付着した種糸を1cmから5cmに切り、それを一定間隔で養殖用親縄(長さ130m)に挟み込み、沖の養殖施設に垂下する一連の作業です。この小さなワカメが、来年の3月からの収穫時には1m以上2m近くまで成長し、収穫されます。

ワカメ種糸の挟み込み作業

ワカメ種糸の挟み込み作業

コンブの種付け作業も、ワカメとほぼ同様な方法により陸上タンク内で付着させ、発芽した種糸を1cm程度に切り、親縄に挟み込みます。ここ十三浜では、異なった成長条件や限られた養殖漁場を有効に使う方法として、ワカメ養殖親縄の下にコンブ養殖親縄を垂下する複合養殖の方法がとられています。ワカメ収穫は3月頃から4月頃までであり、コンブ収穫は5月頃となり連続した生産が可能となっています。

ワカメ種糸が挟み込まれた養殖親縄

ワカメ種糸が挟み込まれた養殖親縄(白いロープ上に見える黒っぽいものが小さなワカメ)

十三浜では、一連のワカメやコンブの種付け作業が終わると、引き続き来年以降の収穫に向けて、ホタテ半成貝※2  の耳釣り※3 や、かご入れ等の養殖作業がはじまります。
 (石巻北上事務所 岩尾恒雄)

 

※1 遊走子・・・シダ植物・コケ植物および藻類、菌類(キノコ・カビ・酵母など)などが、形成する生殖細胞が胞子であり、鞭毛(べんもう)を持って運動する胞子を、遊走子と呼ぶ。遊走子は、岩礁等に付着し、いくつかの形態や生活史を経て、ワカメに成長していく。

※2 半成貝(半生貝)・・・天然採苗し、一年くらい養殖漁場で育てた殻長8cm前後の大型のホタテ稚貝。十三浜では、主に北海道産のものを使用する。

※3 耳釣り・・・ホタテの垂下養殖方法の一形態。ホタテ稚貝の耳(貝殻の蝶番の近く)に電動ドリルで小さな穴をあけ、その穴にロープに固定したテグス若しくはプラスティック製ピンを通し、養殖漁場で商品サイズまで養殖する方法。

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十三浜産海産物販売支援 ~土と平和の祭典2013への参加支援~ https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/5019/ Thu, 07 Nov 2013 06:38:55 +0000 https://www.parcic.org/?p=5019 10月20日、東京日比谷公園で開催された “土と平和の祭典2013” というイベントに、パルシックと共に参加された北上町十三浜漁師グループ、株式会社鵜の助 さんの販売支援を行ないました。この “土と平和の祭典” は、『音楽で彩る日本最大級の環境配慮型農業と農的暮らしのフェスティバル、オーガニックな食と農の文化祭』として7年前から開かれています。会場には、多くの農業者や漁業者、その関連産業の関係者が販売ブースを持ち、新鮮な産品や飲食物を販売していました。また、ステージでは加藤登紀子さん、Yaeさんをはじめ、数々のアーティストによるコンサートや、農業、生活スタイル、フェアトレードなどに関するトークが開かれていました。

鵜の助さんは2年続けての同じイベント参加で、昨年もパルシックが販売のご支援をさせていただきました。昨年販売したワカメやコンブ等が大変好評だったこともあり、今年もワカメやコンブ、その加工品など多くの産品が運び込まれました。鵜の助さんとパルシックのブースでは、ボランティアの方も販売のお手伝いとしてご支援いただきました。

ところが残念ながら、当日はあいにくの雨・・・。小雨になった時間帯もありましたが、本降り状態でイベント終了まで降り続いていました。そんななかでも、多くのお客さんがこのイベントを見に、また参加しに来場されました。これで、雨が降らなければもっと多くの来場者があっただろうと想像できました。

11月20日。朝からあいにくの雨。

11月20日。終日、あいにくの本降りの雨でした

 

鵜の助さんブースで販売

鵜の助さんブースで、わかめについてお客さまへ説明中!

鵜 の助さんのブースでは、前もって調理された味付け結びコンブ、茎ワカメ浅漬け、専用ドレッシングをかけたワカメ等の試食品も提供しました。同時に、鵜の助さんの新しい商品や事業紹介パンフレットをお渡ししました。お客さんの中には、塩蔵ワカメやコンブを食べたことがない方もいて、やはり、お客さんには実際に食べてもらうことが一番で、食後に購買いただいたお客さんも多くいました。また、昨年も会場で購入されておいしかったから、と、今年も来られた方や、三陸産ワカメをご存知の方もあり、リピータとして徐々に鵜の助さんや十三浜産を含めた三陸産ワカメやコンブの良さが広まりつつあると感じました。

鵜の助さんとパルシックブースの販売風景

鵜の助さんとパルシックブースの販売風景

株式会社 鵜の助 ホームページはこちら(ワカメ・コンブも購入できます): https://unosuke.jp/

 (石巻北上事務所 岩尾恒雄)

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産直施設へ視察に行ってきました! https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/4903/ Wed, 09 Oct 2013 06:00:01 +0000 https://www.parcic.org/?p=4903 9月4日から9月6日まで、十三浜産直センター運営関係者6名のみなさんとともに、山口県萩市周辺の道の駅等の産直施設を視察してきました。視察の目的は「先進的な取り組みをしている産直所若しくは道の駅等を訪問し、販売、運営や管理等に係る方法やシステム、また運営組織等の情報を収集し、また担当関係者と意見交換等を行い、今後の十三浜産直センター運営管理に生かしていく」というものです。

視察先に選んだのは、「道の駅 萩しーまーと」、「道の駅 萩・さんさん三見」と「道の駅 阿武町」でした。「道の駅 阿武町」は、日本の道の駅発祥の地で、長年の運営経験があります。「道の駅 萩しーまーと」は、最近の道の駅の成功事例として、日本各地から大勢の視察者が来られています。「道の駅 萩・さんさん三見」には、同道の駅の運営関係団体である山口県漁協三見支所女性組合員グループである「三見シーマザーズ」が活動しています。同グループは、地元産水産物を有効活用した商品開発、及び販売等の活動しており、その業績で今年の第18回全国青年・女性漁業者交流大会で農林水産大臣賞を受賞し、全国からその活動が注目されています。

山口県漁協三見支所関係者による三見周辺の漁業状況、三見シーマザーズの活動説明

山口県漁協三見支所関係者による三見周辺の漁業状況、三見シーマザーズの活動説明

前述した各施設をまわり、関係者から説明を受け、また直接話し合いを行いました。参加されたみなさんは、各店舗で関係者の説明を聴き、さらに店内で売られている商品を手に取り、関係者の方々に内容や加工方法等に関して熱心に話をされていました。その他に、阿武町の山口県漁協宇田郷支所の組合員やその地域の自治会の方々には懇親会を開いていただき、震災の事、お互いの漁業の事、漁獲物等について、十三浜と宇田郷の漁師同士の交流を持つことが出来ました。この会のために、十三浜の参加者からは前もって活ホタテ、ワカメ、メカブやとろろコンブ等の加工品をお送りいただき、十三浜産の海産物も大きな話題提供となりました。

今回十三浜から参加されたみなさんからは、全体を通じて、とても有意義な視察であったというご意見をいただきました。個々には、産直所等を運営管理していくには、行政、漁協や組合員等の協力体制が重要であることを認識した、視察した各道の駅等がこれまでいろいろな取り組みをして現在に至ったということ等、多くの事が参考になったとの意見をいただきました。今回の視察で得た知見や情報等を、今後の十三浜産直センターの運営管理に生かすべく、ご支援を継続させていただければと思っております。

道の駅 萩・さんさん三見店内:三見シーマザーズ関係者による説明

道の駅 萩・さんさん三見店内:三見シーマザーズ関係者による説明

 (石巻北上事務所 岩尾恒雄)

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漁業: 十三浜産海産物販促へのご支援 https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/4791/ Fri, 13 Sep 2013 09:02:42 +0000 https://www.parcic.org/?p=4791 北上町十三浜の漁業復興支援プロジェクトは、十三浜産海産物の販売促進のご支援もしています。

去る8月24日、午後4時頃より午後7時半頃まで、東京都豊島区立高南小学校で行われた「高南夏祭り」の東北復興支援コーナーブースに、北上地域物産振興協会メンバーの皆さんが露店を出店されましたので、その販売のお手伝いをしました。

「高南夏祭り」東北復興支援コーナーの北上町十三浜販売テント

「高南夏祭り」東北復興支援コーナーの北上町十三浜販売テント

この東北復興支援コーナーでは、福島県JAしらかわさんによる新鮮な野菜販売や、関係者によるその他岩手県や宮城県各地の缶詰、お菓子等を販売していました。 当日は曇り空で夕立を心配していましたが、夏祭り終了間際に雨に降られたことを除けば、無事販売を終えることが出来ました。十三浜の露店では、十三浜産ワカメやそのワカメを使ったワカメ餃子、コンブを加工したとろろコンブやきざみコンブ、そしてホタテ焼き等を販売しました。同時に、昨年パルシックで製作したワカメ料理レシピ入り十三浜紹介パンフレットや十三浜産直センターの紹介チラシを配布しました。

販売テント内の十三浜海産物の販売

販売テント内の十三浜海産物の販売

おかげさまで、大勢のお客さんに来店いただきました。ワカメやワカメ餃子、とろろ昆布は試食品としてご提供し、多くの方に十三浜海産物を購入いただきました。 来店いただいたお客さんには、東北出身の方やボランティアで復旧支援に参加された方もいて、こちらの復興状況も尋ねられました。

今後も、このようなイベントを通じて、十三浜産海産物の販売促進をご支援していくとともに、十三浜を含めた北上町や石巻の復興状況の情報発信を継続していきます。

(石巻北上事務所 岩尾恒雄)

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漁業: 十三浜産直センター営業中!! https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/4524/ Wed, 21 Aug 2013 07:54:44 +0000 https://www.parcic.org/?p=4524 長らくご無沙汰しておりました。石巻北上事務所から、スタッフ日誌を再開します。

現在、東北復興支援プロジェクトの漁業分野では、ここ北上町十三浜産の海産物やその加工品、また北上町の農産物を販売する「十三浜産直センター」の運営・管理支援を行っています。

昨年末から、同センター建物の設置や室内整備、販売に必要な冷蔵、冷凍ショーケース、陳列棚、レジや机・いす等の什器購入支援を行い、今年の連休前4月27日にオープンしました。販売している商品は、三陸産ワカメでも評判の十三浜ワカメ、コンブやその他海藻、海産物加工品やコメなどの農産物等です。今年の連休中には、たくさんのお客さんに来ていただきました。

連休中の十三浜産直センター

連休中の十三浜産直センター、多くのお客さんに来ていただきました

しばらくは週末営業でしたが、7月中旬からはセンター内に新たな店子の「十三浜みせやっこ」さんが入り、毎日の営業となりました。販売する商品も食品のほかに、仮設住宅に入居していらっしゃる住民の方たちが作られた手芸品等の販売も開始しました。そして、8月8日からは「十三浜みせやっこ」さんが、ワカメうどん、カレーや海鮮丼等の軽食やコーヒー、ジュースやアイスクリーム等を提供・販売しています。これで、十三浜の海岸沿いに食事を提供する場所がひとつできました。

新しくできたセンター前の休憩スペース

現在、センター前で休憩や簡単な食事ができるようになりました

今後も、この「十三浜産直センター」により多くのお客さんにお越しいただき、十三浜全体が活性化するように、引き続き支援を続けていきます。

(石巻北上事務所 岩尾恒雄)

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わかめの後は昆布養殖の準備 https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/1092/ Thu, 15 Mar 2012 19:00:52 +0000 http://test.parcic.org/?p=1092 わかめの種付けが終わると、昆布の準備が始まります。わかめの種付けが遅れこんだために、昆布もスタートが遅れ、2011年の最後の1週間で昆布の準備が 行われたようです。「わかめの後は昆布」、これは種付けも収穫も同様で、収穫もわかめが4月で終わったら5月は昆布の収穫がはじまります。


わかめの種付けがようやく終わった12月の終わり。昆布の養殖準備が急がれます。

このヒモに昆布の種が付いています。

それをこうして結び付けていきます。

紐から出ている茶色いものが昆布の種だそうです。

それを海に沈めて1週間ほどつけて種を育てて、昆布の種付けをはじめるそうです。
 

わかめの養殖作業が遅れこみ、この作業が大みそかまで残すは一週という時期になってしまいました。「年内にギリギリ終えられるかな」と漁師さん。それでも、種付けを終えればあとは海の恵みに任せるだけ。収穫の時期が楽しみです。

(パルシック 日方里砂)

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石巻市北上町十三浜 わかめの種付けボランティア派遣 https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/1074/ Thu, 15 Mar 2012 18:00:02 +0000 http://test.parcic.org/?p=1074 パルシックは10月に『十三浜のわかめ種付けボランティア』を募集しました。ですが、漁具や漁場の整備は予想以上に困難で、予定通りには終えられませんで した。そのため、わかめの種付けも遅れ、わかめボランティアのみなさんには石巻事業で活躍いただきました。ありがとうございました。

ですが、それから2週間後、わかめの種付けが少しずつはじまり、改めて当時のわかめボランティアの方々にお知らせし「リベンジ!」とボランティアさんが 戻ってきてくれました。みなさん気合は十分。予定日の前日から十三浜の宿泊所に泊まってもらい、朝早くから出発、ときには「今日は海が荒れている」と、で きない日もありましたが毎日寒い風の中凍えながらも、ボランティアの皆さんにとっては浜の皆さんにいろんな話をできたり種付けができたりと、楽しくも貴重 な体験となりました。

十三浜ではこれまでもわかめの養殖は“家族が多くないとできない”仕事だったといいます。人手が必要な作業であったわかめの種付けが震災により、アルバイ トを雇用する資金がない、身内が被災した、親戚を頼って行っていたことができないなど、さまざまな理由により“人手が足りない、ボランティアに手伝っても らえると助かる”という声を聞いていました。もちろん、大切なわかめの種付け作業を素人に任せられないという方もいます。必要な方々に、少ない人数ですが 参加させていただき、微力ながらお手伝いをさせていただきました。


地盤沈下のため使えなくなった港は応急的に各港30mづつだけ嵩上げされました。それでも各集落が利用するには狭く、グループで共働したり、船の着け方を工夫したりして行っていました。

「2人1組ペア」で行う種付け作業。ベテランの方とペアになって教えてもらいながら作業を行います。でも日に日に手馴れて上手になっていくボランティアさんたち。「のみ込みが早い!」とのお墨付きも。

お昼や休憩時間はみんなでおちゃっこ。お茶とお菓子を囲んでみんなでおしゃべりするのが作業の楽しみ。

種付けができない日は、ほたて養殖の準備のお手伝いなど、丘での作業も参加させてもらいました。

ロープを決まった長さに切ったあと、切り口をろうそくで少し溶かします。

軍手をした手で先をぎゅっとつまむと、こんな風に切口のボサボサが一つに固まります。

これがホタテの養殖籠に必要な道具。

それをこんな風に仕上げます。これを編むのは素人では難しい・・・。

網をくねくねと紐を通して結んで。結び方も様々にあります。(ピントがずれています。ごめんなさい。)

こうした作業をするにも場所がなく、さらに漁網やロープを補完する場所もなくて、仮設住宅の前の広場はこんなにも漁具で山盛りになることがありました。わかめの作業場はワカメの時期以外はこうした作業ができる場所や倉庫にも使ってもらえますね。

短い期間でしたが、こうしてわかめの種付けをニーズに応じて派遣してきました。人手だけでなく、こうして応援している人がいるよ・ということを伝えられてよかったなと思います。 浜のお母さん「種付けしたんだから、収穫もしなきゃだめよ!」 ボランティアさん「ぜったい来ますから!」 またぜひ手伝いに来てくださいね。

(パルシック 日方里砂)

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石巻市北上町十三浜 わかめの種付けスタート! https://www.parcic.org/report/ishinomaki/ishinomaki_fishery/2208/ Thu, 15 Mar 2012 17:00:39 +0000 http://test.parcic.org/?p=1058 11月に入り、十三浜でもようやくわかめの種付け作業が開始されました。本来ならば10月下旬からスタートしますが、早い方でも11月に入ってやっと始め られたような状態で、通常よりも遅いスタートでした。ですが、日に日に港に活気が出始めて、どこの浜でも嬉しい光景が見られました。


わかめの種付けは岸壁で行います。種が枯れてしまわないように、種を専用ロープに挟んでは海へ入れます。

2人ずつペアになって、片方がロープをねじって隙間をつくり、片方がその隙間にわかめの種を刺します。

家族や親せきだけでなく、同じ集落・隣の集落から手伝いに集まり、お互い助け合って行っていました。

作業がひと段落すると「おちゃっこ」の時間。「まさかこんなにも早く、(わかめの養殖作業を)はじめられるなんて、考えもしなかった・・・」と浜のお母さんたち。

11月の種付けで早くて2月、必ず3月には収穫ができる大きさに育つそう。
 

同時に、十三浜はまだ漁場の整備が完了していませんでした。わかめの種付けをしても、種を付けたロープをつける場所がなくては養殖できません。海の底には 瓦礫が沈み、また津波前の漁場のロープやアンカーが沈んでおり、それを片づけながら、またこれまであったものをすべて設置しなおさねばなりません。2トン 近いアンカーを合計で約4000個も海に設置しなくてはならず、大変な作業でした。津波が来るとき決死の覚悟で船長とともに沖に出て助かった船たちが、こ の作業に駆り出されました。何度も瓦礫や新しいアンカーを巻き上げて移動させる機械が壊れては、新しい機械を発注するなど、漁場の整備が急がれながらも、 残った船と漁師さんたちは天気と海の様子に左右されながらも、毎日懸命に作業を行っていました。わかめの種付けの準備もありながらの同時並行です、大変な 負担だったと思います。


この左にあるのが約2トンのアンカー。これを海に沈め、タイヤ部分からロープを延ばして浮を海上に浮かせます。

壊れた機械を外して、新しい機械を取り付けるところ。

ようやく届いた新しい機械。これで最大2トンのものを引っ張ることができるとか。

「これもいつまでもつかなぁ」とポツリ。本来はもっと大きなものだそうで、届いた最大2トン用のもので2トンのものを何度も運べば、壊れるのも早い。

なんとか無事、漁場の整備をしていた方々もみな、12月末までかかりましたがわかめの種付けが終了しました。種付けは被災前の8割復活という驚くべき数 字。石巻や仙台のお子さんのところなどに身を寄せようと考えていた漁師さんの中には、わかめが再開できる兆しを感じて十三浜にとどまった方もいます。十三 浜の漁業はこうして共に助け合いながら、復興への一歩を進みました。

(パルシック 日方里砂)

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